旧ビブレ跡地や山形駅自由通路、一体的取り組み検討 山形市「観光案内所」整備素案

 山形市がJR山形駅東口周辺に整備を目指す「日本一の観光案内所」について、市は24日、基本構想の素案を公表した。設置場所は旧山形ビブレ跡地をはじめ、駅の東西自由通路エリアも観光案内所と見立てて一体的な取り組みを検討する。オープンは2027年度以降を想定する。今後、具体的な事業内容を検討しながら、構想を正式に策定する。

 覚書を交わす慶応大SFC研究所、JR東日本との共同研究の成果として、素案を作成した。旧山形ビブレ跡地に関しては、一部を東京のホテルチェーンが所有する。残る個人所有地と合わせ、市はホテルと観光案内所を一体的に整備する再開発事業を計画しており、地権者との協議を続けている。

 素案に盛り込まれた観光案内所の機能として、観光客のニーズに合わせた情報提供を重視する。旧山形ビブレエリアは長時間を過ごせるような空間とし、駅近辺で山形ならではの体験ができるようにする。

 駅の改札前には、既存の観光案内所や駅たびコンシェルジュ山形などがある。このエリアは来訪者が山形市を最初に感じる場所のため、手荷物預かりや各種チケットの販売など総合的なサービスの提供を視野に入れる。

 さまざまなテーマに沿って「日本一」を目指すこととし、現時点では「地域の魅力を体感できる」「温泉に行きたくなる」「長く滞在したくなる」など重点8項目を設けた。コンセプトに「暮らしと観光がつながる」を掲げ、地域住民も関わりを持てる交流拠点にする。この日の市議会産業文教委員会で、市は「素案に対する意見を聞きながら、基本構想をまとめたい」と説明した。

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