韓国GDP、第1四半期は前期比+1.3%で予想上回る 先行きは不透明

[ソウル 25日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)が25日発表した2024年第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済み前期比1.3%増加した。好調な輸出を背景に市場予想を上回り、21年第4・四半期以来約2年ぶりの高い伸びとなった。韓国中銀が利下げを先送りするとの観測が強まりそうだ。

23年第4・四半期の0.6%増から加速した。市場予想は0.6%増だった。

前年比では3.4%増加し、23年第4・四半期の2.2%増から加速し、市場予想の2.4%増を上回った。

輸出は前期比0.9%増、民間消費は0.8%増加した。

設備投資は0.8%減少し、建設投資は2.7%増加した。政府支出は0.7%増。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、シバン・タンドン氏は、GDPが予想を上回った主要因は内需の伸びだとし、民間消費が前四半期の0.2%増に続き、0.8%増加したことを指摘した。

同氏はリポートで「今回の数字は韓国の消費にとって最悪期は脱したとの心強い兆候だが、労働市場が軟化し、債務返済負担が高止まりする可能性が高いため、この統計が力強い回復の始まりを示すものだとは確信できない」と述べた。

韓国中銀は前回の政策決定会合で24年の経済成長率が従来予想の2.1%を上回る可能性があると指摘した。23年の成長率は1.4%と3年ぶり低水準だった。

GDP統計を受けて中銀高官は会見で「消費が危機を脱したと判断するのは時期尚早だ」と述べた。

「成長率は2月予測よりも強いようで、これは来月行われる中銀の経済予測見直しに反映される。中東の地政学的リスクや為替相場、インフレの見通しに対する不確実性が反映されることになる」と説明した。

中銀は今月の会合で政策金利を15年ぶり高水準の3.50%に据え置いた。据え置きは10会合連続。インフレ見通しの不透明感や輸出の強さを踏まえ、年内の利下げは難しいとの見方を示した。

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