カナダ中銀、利下げペースは緩やかとの想定で見解一致=議事要旨

Promit Mukherjee David Ljunggren

[オタワ 24日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)が24日公表した今月の政策決定会合の議事要旨によると、今後利下げする場合、そのペースは緩やかになる公算が最も大きいとの見方で6人の政策委員が一致したことが分かった。

中銀は10日の会合で、5%と約23年ぶりの高さになっている政策金利を据え置くことを決めた。

議事要旨には「利下げが妥当になる条件がいつ整いそうかで見解に差が生じたが、この先のさまざまなリスクや、物価上昇率が目標に収まる道筋がゆっくりであることを踏まえ、金融緩和は恐らく漸進的になるとの点では意見がそろった」と記されている。

中銀は昨年7月までの16カ月で計475ベーシスポイント(bp)の利上げを実施。2022年6月に8.1%まで跳ね上がった物価上昇率は今年3月に2.9%に鈍化した。ただ目標とする2.0%に下振れるのは来年末以降というのが中銀の見通しだ。

マックレム総裁は19日、インフレは減速の兆しが見えているものの、中銀としては持続的な情勢改善を裏付けるもっと多くの証拠を見てから利下げを開始したいとの考えを示した。

議事要旨では、一部の政策委員が経済動向の堅調さを挙げて、引き締め的な金融政策が物価目標達成の上で必要とする以上に景気へ悪影響を及ぼすリスクは低下したので、コア物価上昇率の鈍化が止まるリスクを抑制できるという面でもっと安心感がほしいと述べ、利下げを急がないのが適切と示唆した。

これに対して別の何人かは物価押し下げの取り組みの進展を強調。必要以上に金融政策が引き締め的になる恐れがあるとの懸念を表明した。

マックレム氏は10日の会合後に6月の利下げはあり得ると発言。短期金融市場は、6月に利下げされる確率は五分五分で、7月の25bp利下げ確率は100%と見込んでいる。

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