TSMCの「A16」技術、26年後半に生産開始 インテルに対抗

Stephen Nellis

[サンタクララ(米カリフォルニア州) 24日 ロイター] - 半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)は24日、「A16」と呼ばれる新しいチップ製造技術が2026年後半に生産を開始すると発表した。

幹部はサンタクララで開催された会議で、スマートフォンメーカーよりも人工知能(AI)チップメーカーがこの技術を最初に採用する可能性が高いと述べた。同社はエヌビディアとアップルの主要サプライヤー。

競合のインテルは2月、新技術「14A」を導入して世界最速のコンピューティングチップ製造でTSMCを追い抜くとしたが、TSMCの発表を受けてこれに疑問符が付く可能性があるとアナリストは述べた。

TSMCのケビン・チャン事業開発担当上級副社長は記者団に対し、新しいA16チップ製造プロセスの開発が予想より早まったのはAIチップ企業からの需要があったからだと説明。具体的な顧客名は挙げなかった。

チャン氏によると、TSMCはA16チップの製造にASMLの新しい露光装置「High NA EUV」を使用する必要はないと考えている。インテルは先週、1台3億7300万ドルするこの装置を14Aチップの開発に初めて使用する計画を明らかにした。

TSMCはまた、チップの裏面からコンピューターチップに電力を供給する新技術を発表。これはAIチップの高速化につながり、26年に利用可能になる予定だ。インテルも同様の技術を発表している。

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