地熱発電へ調査を開始 雲仙・普賢岳西側のエリア 九電の子会社など 長崎

 再生可能エネルギー事業を手がける九州電力の子会社「九電みらいエナジー」と「レノバ」(東京)は24日、長崎県雲仙市の雲仙・普賢岳西側のエリアで、地熱発電所の新設に向けた資源調査を始めたと発表した。調査結果を踏まえ、事業化の可否を判断する。
 普賢岳西側は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の過去の調査で高温の熱水があると判明し、地熱開発に有望な地域とされていた。
 九電みらいエナジーによると、調査範囲は雲仙・小浜温泉を含む約40平方キロメートル。調査は16日に開始。地表から電流の流れなどを測定し、地下の構造を調べる。収集したデータは来年3月までに分析する。地熱利用を進めた場合に、周辺の温泉の温度や流量にどのような変化が起きるかのモニタリングも実施する。
 地熱発電が可能と確認されても、環境アセスメントなどが必要となるケースもあり、実際に事業化されるまでには10年以上かかる。九電みらいエナジーは「さらに調査を進める場合は地元の了承を得る」としている。

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