セットアッパー2年目の広島・島内 重圧の日々も支えとなっている黒田球団アドバイザーの言葉とは?

 

 広島の島内颯太郎投手(27)は、セットアッパーとして2年目を迎えた。3月29日のDeNAとの開幕戦(横浜)でいきなり敗戦投手となるなど、今季も重圧のかかるマウンドに向かう日々。その中で胸に刻み、支えとなっている黒田博樹球団アドバイザー(49)からの言葉とは。

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 今年も島内は悔しさを抱えながらシーズンを滑り出した。3月29日のDeNAとの開幕戦(横浜)。3-3の八回からマウンドに上がると、2安打1四球で1死満塁とされ、代打・大和に決勝の右犠飛を許して敗戦投手となった。「力負けしたという感じ。悔しい」と唇をかみしめていた。

 昨年は開幕2戦目のヤクルト戦(神宮)で同点の七回から登板し、オスナに決勝ソロを被弾して敗戦投手となっていた。2年連続開幕カードでの黒星。「開幕スタートダッシュ(を狙っているところ)で迷惑をかけた」とも話していた。

 そんな右腕に手を差し伸べたのが黒田球団アドバイザーだった。開幕2戦目の3月30日の試合前練習中のこと。早めに練習を終えた島内は、解説のために球場を訪れていた同氏にあいさつした。会話の中で「昨日の試合のことは気にしているか?」と尋ねられた。島内は「気にしてないわけではないですけど、大丈夫です」と返答。その後の黒田氏の言葉が胸に残っているという。

 「2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを狙えるのはおまえだけだから。全然気にせんでええぞ」

 昨季は62試合に登板して、球団最多タイとなる42ホールドポイントで自身初の最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝いた。胸中をおもんぱかって、自信を思い起こさせてくれる言葉をくれたレジェンドに「黒田さんからは、去年から言ってもらっていることもある。そういう方からのアドバイスということもあって、自分の中にスッと入ってくるところがあった」と感謝する。

 ここまでは10試合に登板して2勝1敗、防御率2.70。緊迫した場面での登板に加え、相手も対策に躍起になっている中で奮闘していると言えるだろう。“タイトル防衛”は昨季のタイトルホルダーだけが有する特権。レジェンドからの言葉を糧に、その座に再び就いて見せる。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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