長崎県内11市町が「消滅可能性自治体」 島原と諫早は脱却、人口減少率はいずれも改善 

 人口戦略会議が24日に発表した報告書は、2050年までの30年間で若年女性の人口が半減する「消滅可能性自治体」に長崎県内11市町を挙げた。14年の報告で消滅可能性とされていた島原、諫早両市は脱却した。
 11市町は平戸、松浦、対馬、壱岐、五島、西海、雲仙、南島原の8市と、東彼東彼杵、北松小値賀、新上五島の3町。ただ、いずれも人口減少率が14年の報告と比べ改善した。各市町が取り組む人口減少対策の効果が一定表れているとみられる。
 「消滅可能性」と見なされなかった県内自治体のうち、佐世保、島原、諫早、大村、西彼長与、時津、東彼波佐見、北松佐々の8市町は、人口流出を食い止める「社会減対策」が必要と指摘された。長崎市と東彼川棚町は社会減に加え、出生率向上など「自然減対策」も必要とされた。
 「消滅可能性」と見なされた新上五島町の未来戦略課は「1島1町なので近隣自治体と重点施策を分担するといった広域連携が難しい」と厳しい事情を説明する。民間企業の社宅を買い取り移住者向け住宅を整備しているほか、水産業を中心に増えている外国人労働者との交流促進に取り組んでいるという。
 前回の「消滅可能性」から脱却した諫早市の地方創生室は、企業誘致や宅地供給の成果が表れていると分析。担当者は「今後は子育て環境の充実などソフト施策にも力を入れていく必要がある」と語った。

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