横浜F・マリノスは4月24日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準決勝・第2レグで、蔚山現代(韓国)とホームで対戦した。
敵地での第1レグを0-1で落とし、クラブ初の決勝進出を果たすためにはゴールが必要不可欠な横浜は、30分までに3点を奪う。
しかし、36分にセットプレーから失点すると、39分には上島拓巳がボックス内でのハンドで一発レッド。それで与えたPKを決められ、2戦合計3-3で試合を折り返す。
数的不利になってからは防戦一方となり、延長戦に入ってからは複数の選手が足をつるなか、それでも全員が身体を張ってゴールを守り抜くと、迎えたPK戦を5-4で制した。
【PHOTO】現地・韓国で熱烈後押し!ACL準決勝第1戦に集結した横浜F・マリノスサポーターを特集!
この日は平日で、冷たい雨が降っていたが、試合前から多くのファン・サポーターが大きな声援を送っていた。ACLに限らず、リーグ戦などでも変わらない応援でサポートしているのはもちろん承知しているが、いつも以上に熱い気持ちを感じた。
また、3点を取った後に失点しても、フィールドプレーヤーが10人になっても、チームを信じて後押しし続ける姿には心を打たれた。
ゲームキャプテンを務めた松原健も、こう語る。
「サポーターの皆さんが、水曜日でかつ土砂降りのなか、集まってくれて、10人になってからも僕たちが攻めている時や失点を防いだ時に盛り上げてくれて、間違いなく力になりましたし、それでやり切れました」
また、水沼宏太も感謝を口にする。
「初めて経験する準決勝の舞台は、みんな高揚感があったと思いますし、間違いなく良い雰囲気でした。この前のアウェー戦で、ACLでのホームの利はJリーグ以上にあると感じたので、あれだけサポートしてくれたのは、本当に感謝です」
ちなみに水沼は、PK戦で2番手のキッカーを務め、成功させた後にサポーターを煽る仕草を見せた。これについては、「ポープ(・ウィリアム)が守る時、ゴール裏の雰囲気が鳥肌が立つくらい良かった。これは絶対にプレッシャーになると思ったので、『頼む、一緒に戦ってくれ』と感じてもらえるようにやりました」と明かしてくれた。
2人の言葉からも、まさに“マリノスファミリー”が一丸となって掴み取った勝利と言えるだろう。
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)