うれしの茶「連続日本一を」 市民ら320人、新茶手摘みで収穫

茶園いっぱいに広がり、全国茶品評会に出品する新茶を手摘みする参加者=嬉野市嬉野町不動山地区

 全国茶品評会で日本一となる最高賞獲得を目指し、嬉野市民ら約320人が20日、品評会に出品される「うれしの茶」の新茶を手摘みで収穫した。新芽と若い葉2枚までを摘む「一芯二葉(いっしんによう)」を徹底し、約3時間汗を流した。

 同市嬉野町不動山地区の茶園に集合した参加者は、地元JAや県の茶業試験場、農業振興センターの職員らの指導を受けて収穫を開始。濃い緑色を生み出すために黒いスクリーンで覆われて茶園の中は薄暗く、腰をかがめながら慎重な手つきで若い芽を摘んでいった。

 現在は重労働の手摘みではなく機械収穫が主流だが、切れた葉や長い茎の選別が難しく、湯を注いだときの濁りや苦みの原因になるという。茶の出来栄えを競う品評会には、多くの産地が手摘みで出品。市広報や回覧などで市民に手摘みの協力を呼びかけたところ、予定を上回る人手が集まった。

 同市塩田町を拠点に活動する少年サッカークラブ「FCレヴォーナ」は小中学生約80人が参加。古川大智君(13)=嬉野中2年=は「初めて手摘みを体験したけど、腰が痛くなってきつかった。それでも、お茶は嬉野の誇り。また日本一を取ってほしい」と話した。

 うれしの茶は昨年8月の全国茶品評会の蒸し製玉緑茶と釜炒(い)り茶の両部門で個人・産地の最高賞に輝き、11年ぶりに4冠を達成した。(市原康史)

© 株式会社佐賀新聞社