神代鍋島家ゆかり 100年前のドレス 雲仙・国見で初公開 5月2日まで

鍋島家第16代当主の妻が着ていたドレス=雲仙市歴史資料館国見展示館

 神代鍋島家第16代当主、鍋島桂次郎(1860~1933年)の妻、業子(なりこ)(1865~1920年)が着ていた約100年前のドレスが、長崎県雲仙市国見町の市歴史資料館国見展示館で初公開されている。5月2日まで(土日祝日休館)。観覧無料。
 同町の神代小路(くうじ)地区は、江戸時代の旧佐賀藩所領の飛び地。国の重要伝統的建造物群保存地区で、国の重要文化財、旧鍋島家住宅(鍋島邸)や古民家が残る。
 桂次郎は明治期、伊藤博文の欧州派遣などにも随行した外交官で貴族院議員。業子は皇族に仕えた後、日本赤十字社の前身団体で奉仕活動もしていた。
 ドレスは長年、鍋島邸で保管され、傷みがひどく持ち上げるのも難しい状態だったが、市教委が半年がかりで修復。市教委によると、オーダーメイドで刺繍(ししゅう)を含め、すべて手縫い。花柄の刺繍は上品な雰囲気を醸し出している。通常、鍋島邸で展示している桂次郎の大礼服も2着並ぶ。外務省時代の服には数々の勲章が付き、欧米などで外交官として日本の近代化を支えた歴史を感じさせる。
 地区の町おこしをする山口伊緒里さん(59)は「ドレスの刺繍が美しくて見とれた。大礼服のボタンの家紋も鍋島邸にあるときよりもはっきり見える」と話した。

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