ベアーズが湖畔のスタジアム建設計画を発表、実現のために公的資金を求める

【NFL】

現地24日(水)、シカゴ・ベアーズは現在の本拠地であるソルジャー・フィールドのとなりに、およそ50億ドル(約7,762億5,000万円)を投じた屋内スタジアムを建設する計画を発表した。これはシカゴ市の湖岸を変貌させる大規模なプロジェクトの一環となっており、チームはその実現のために公的資金の支援を求めている。

この計画では、新しいスタジアムの建設に32億ドル(約4,968億9,600万円)、さらにインフラの整備に15億ドル(約2,329億2,000万円)が必要とされている。チームと市は、このプロジェクトによって緑地と開放的な空間が増え、市のミュージアム・キャンパス(水族館や博物館を含む広大な公園地区)へのアクセスが改善されるだけでなく、公営ホテルを建設する可能性もあると述べている。

ベアーズのケビン・ウォーレン社長は「これは簡単なプロジェクトではないが、シカゴは簡単なことを好まない」とコメントしている。

ベアーズは多忙な一週間が予定されている中で、今回の計画をソルジャー・フィールドで発表した。チームは現地木曜日の夜に開催されるドラフトで、2022年にハイズマン・トロフィーを受賞しているケイレブ・ウィリアムズを全体1位指名することが予想されており、南カリフォルニア大学(USC)のクオーターバック(QB)の起用によって、NFLの創設当初から存在するチームにとって長年の弱点であったポジションを強化する計画だ。

チームは先月、市内に公営スタジアムを建設するために20億ドル(3,106億6,000万円)以上の資金を提供する用意があると発表した。

この提案では、ベアーズから20億2,500万ドル(約3,145億4,325万円)、NFLのローンから3億ドル(約465億9,900万円)、“Illinois Sports Facilities Authority(イリノイ州スポーツ施設局/ISFA)から債権によって9億ドル(約1,397億9,700万円)を調達することになっている。ISFAからの資金調達は、既存の2%のホテル税収を担保として新債券を発行することで行われる。

ベアーズによれば、このプロジェクトは地域に80億ドル(1兆2,426億4,000万円)の経済効果をもたらすという。また、建設は3段階に分けて行われ、最長で5年かかるとのこと。新しいスタジアムは、1971年からベアーズの本拠地であるソルジャー・フィールドのすぐ南にある駐車場に建設される予定だ。100年の歴史を持つ現在のスタジアムのリース契約は2033年までとなっている。

ブランドン・ジョンソン市長はこのプロジェクトに対する全面的な支持を表明し、ダニエル・バーナムの「シカゴ計画」に沿ったものだと述べた。また、シカゴ市民に対する増税や新たな税の導入はない点にも触れた。

イメージ図によると、ベアーズのスタジアムは半透明の屋根と巨大なガラスパネルから日光を取り入れ、シカゴの有名なスカイラインの景観を楽しめる設計になっている。年間を通じて大規模なコンサートを開催するほか、スーパーボウルやファイナルフォー、ビッグ10のチャンピオンシップゲームなども開催する計画だ。

ソルジャー・フィールドの有名な柱廊は保存されるものの、20年前の改修で設置された宇宙船のようなスタジアムは取り壊され、代わりに運動場や公園が設置される予定となる。歩行者専用のショッピング街、飲食店、遊歩道、広場の建設も計画に含まれている。

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