「戦術を上回る個を発揮したい」途中出場から意地の一発。群馬10番・佐藤亮がJ1勢にも実力を示す【ルヴァン杯】

[ルヴァンカップ 1stラウンド 2回戦]群馬 1-3 柏/4月24日/正田醤油スタジアム群馬

4月24日、ザスパ群馬はルヴァンカップの1stラウンド2回戦で柏レイソルとホームで対戦し、1-3で敗れた。この試合で、リーグ戦ではここまでの全試合でスタメン出場している佐藤亮は、58分から途中出場。0-3で迎えた90+2分に右サイドからドリブルで切り込み、ミドルシュートを突き刺してみせた。

「前半は外から見ていて、もっと相手の脅威になる選手が必要だと感じていた」と、意地の一発を決めた10番は振り返る。確かに開始20分あたりまでは群馬が押し込んでいたなかで、相手を脅かすシュートやラインブレイクなどは物足りなかった。攻撃が遮断されていくと徐々に柏ペースになり、結果的に前半で3点を奪われた。

大槻毅監督は「序盤は準備していた形が出ていたところもあった。そこから、シュートやゴールで終わるというところがもう少し」と分析。ゴール前に迫るものの、最後のところでやらせてもらえないこと、やれなかったことが、後の失点に響いた結果に。

【PHOTO】苦しんだ選手たちに最後まで温かい声援を送ったザスパ群馬サポーターたち!
3点を追う後半、群馬は58分に佐藤のほか、山中惇希、大畑隆也を投入。3枚替えで勝負に出た。攻撃は活性化したものの、柏の守備陣は固く、なかなかゴールをこじ開けられずに試合はアディショナルタイムに。そして終了間際に、先述のとおり、佐藤が一矢報いた。

試合後、佐藤は「相手を少し外してのクロスや、得点シーンのようなマークにつかれていても強引にシュートに持って行く部分は、J1相手でも通用した。そこは自信を持っていたので、体現できたのは良かった」と手応えを示す一方、「ただ、センタリングのところは味方にゴールを取らせることはできなかったので、まだまだ足りない部分だと思う」と反省も。

「自分が試合に出るのであれば、まずチーム戦術の中で相手の脅威となる存在になること。そこから90分やっていくなかで、相手も対応してきて、それに対して自分たちも改善していく。そうなった時に、僕が個で打開していく部分が大事になってくる。戦術を上回る個を発揮したい」

ナンバーテンの言葉は力強かった。現在、群馬はJ2で最下位。ここから浮上していくためには、佐藤のさらなる奮起も必要だろう。次戦は中2日の27日にホームでV・ファーレン長崎と相まみえる。

取材・文●平龍生(サッカーダイジェスト編集部)

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