ひとり親で月収は「14万円」です。追加で「0.1%」金利が上乗せされる「福祉定期貯金」ってなんですか?

もらっていない場合はまず申請! ひとり親家庭が受けられる児童扶養手当とは

「福祉定期貯金」を利用するには児童扶養手当をもらっている必要があるので、もらっていない場合はまず児童扶養手当の申請をしましょう。

児童扶養手当は、18歳に達する日以降の最初の3月31日までの児童を監護するひとり親、または父母に代わって養育している祖父母などを対象に支給される手当です。

離婚などで父または母と生計を別にする児童や、父または母が死亡した児童などがいるひとり親世帯を支援し、生活の安定や児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。児童扶養手当の支給金額は表1の通りです。

表1

※東京都福祉局「児童扶養手当」に基づいて筆者作成

児童扶養手当には所得制限があり、前年の所得が表2の限度額を超える場合は手当の全部または一部が支給停止になります。

表2

※府中町「児童扶養手当所得制限限度額による収入の一覧表」を基に筆者作成

なお、所得は以下の計算で算出します。

・所得=収入-必要経費(会社員の場合は給与所得控除など)+養育費の8割相当

月収14万円の場合は単純計算で年収が168万円になるため、扶養人数が2人以上であれば全部支給、2人未満であれば一部支給になると考えられます。ただし、具体的な支給額は必要経費や養育費なども含めて計算する必要があります。

児童扶養手当を受けている人が利用できる「福祉定期貯金」とは

「福祉定期貯金」とは、銀行でできる貯金の一つで、障害基礎年金、遺族基礎年金などを受給している方などが預け入れできる預入期間1年の定期貯金のようです。

児童扶養手当を受給している人も利用の対象のであるため、遺族基礎年金や児童扶養手当を受給しているひとり親世帯は「福祉定期貯金」を活用して、子どもの将来に備えることを検討できるかもしれません。

年収が限られているひとり親世帯では、毎月のやりくりがギリギリになって、将来に備えて貯金することが難しいとも考えられます。定期預金であれば毎月決まった金額を積み立てていくので、確実に貯金ができます。

「福祉定期貯金」は、通常の定期預金金利に銀行で定める利率を上乗せしてくれることがメリットです。金融機関によって適用される金利は異なりますが、0.10%上乗せされる場合もあるようです。通常貯金の1年定期金利は0.002%ほどですから、0.10%上乗せとなる「福祉定期貯金」の場合だと金利が0.102%ほどになります。

例えば100万円を預けた場合、20円だった利子が1020円(税引き前)になると計算できます。

「たかが数千円」と考えるかもしれませんが、定期にすることで簡単に引き出せないことや、投資とは違ってリスクがなく元本保証されていることを考えると、確実に資金を貯めて殖やす方法であるといえるでしょう。

ひとり親世帯は金利0.1%が上乗せされる「福祉定期貯金」の利用がおすすめ

収入が限られているひとり親世帯にとって、将来のために資金を貯めることは簡単ではありません。

児童扶養手当を受けている場合は、そこから毎月いくらかを取り分けて、「福祉定期貯金」の利用を検討できるでしょう。定期にすることで確実に貯金でき、さらに金利が0.1%上乗せされることで、リスクなしで資金を増やせます。

出典

東京都福祉局 児童扶養手当
府中町 児童扶養手当所得制限限度額による収入の一覧表

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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