小山のコウノトリ、ひなは3羽を確認 定着へ、環境整備に本腰

コウノトリのひな3羽の確認を発表する浅野市長

 【小山】浅野正富(あさのまさとみ)市長は24日の定例記者会見で、下生井の渡良瀬遊水地でふ化した国の特別天然記念物コウノトリのひなについて、同日までに3羽を確認したと発表した。

 浅野市長は「これまでの例から間引き行動もあり得るが、一羽でも多く大きく成長してほしいと願っている」と述べた。さらに栃木市内でも産卵が確認されたことを受け「うれしい半面、定着のための環境づくりに本気を出さなければならない。特に採餌環境の維持が重要で、栃木市、野木町と協力して取り組んでいく」と強調した。

 3羽のひなは、遊水地の湿地保全などに取り組むNPO法人わたらせ未来基金の青木章彦(あおきあきひこ)理事長が22日に写真撮影し確認した。16日に1羽、18日に2羽の姿を確認していた。

 同所でのひな誕生は2020年から5年連続で、昨年まではいずれも巣立ったのは2羽ずつ。ただ21、22年はひな3羽を確認したが、それぞれ1羽ずつ間引きされたという。

 市は専門機関の協力を得て、5月下旬に個体識別の足輪装着などを行う方針。ひなの愛称候補を「わたらせ自然ミュージアム」のホームページに掲載し、5月10日まで一般市民による決選投票を行っている。6月中に命名式を行う予定。

親鳥のレイと2羽のひな=18日午後、小山市下生井(NPO法人わたらせ未来基金の青木章彦理事長提供)

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