青森・むつ市の「寅福」大規模トマト工場、5月稼働 11万株栽培、7月初出荷

大規模トマト工場の選果場を見学する関係者=24日、むつ市

 農業法人「寅福」(北海道上ノ国町)のグループ会社「寅福プラント」(青森県むつ市)が同市田名部斗南岡で計画を進めている大規模トマト工場は5月の稼働開始に向けて、建設工事が大詰めを迎えている。5月中旬に苗11万5320株を植え、7月下旬に初めての収穫・出荷を迎える。

 トマトを栽培するガラス屋根の温室は面積約3.5ヘクタール。施設園芸の先進地であるオランダの技術を導入している。情報通信技術(ICT)を活用し、栽培に適切な気温や湿度、日射量などを設定すると全自動で窓の開閉や水量調整などを行う。年間生産量は最大1500トンだが、初年度は約千トンを見込んでおり、全国のスーパーに出荷される。

 2023年4月に着工し、今年4月から栽培を開始する予定だった。しかし、同社によると、世界情勢による物流の混乱でオランダからの資材の到着が遅れ、完成がずれ込んだという。

 24日、同社は建設中の工場を市関係者や報道陣に公開した。縦121.5メートル、横280メートルの巨大温室にはすでに栽培設備が並び、選果場にも選果レーンが備え付けてあった。温室を温める際に使うバイオマスボイラーの設置工事なども進んでいた。

 同社の加藤夢人社長は「地域の期待が大きく、身が引き締まる思い。むつ市だからできる新しい農業の形と価値を発信していきたい」と語った。

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