by 深田昌之
本田技研工業は4月25日、コンパクトSUV「ヴェゼル」のマイナーモデルチェンジを発表し、4月26日より発売を開始する。
マイナーモデルチェンジでは、1.5リッター DOHC i-VTECエンジン搭載の「G」、1.5リッター DOHC i-VTECエンジン+2モーターハイブリッド搭載の「e:HEV X」「e:HEV Z」を展開。さらにそれぞれにパッケージモデルとして「e:HEV X HuNT(ハント)パッケージ」「e:HEV Z PLaY(プレイ)パッケージ」を用意する。価格はガソリンモデルの「G」が264万8800円で、e:HEV(ハイブリッドモデル)が288万8600円~377万6300円。
駆動方式はGが4WDのみで、ほかはFFと4WDも設定。トランスミッションはガソリンエンジンのGのみトルクコンバーター付きの無段階オートマチック。e:HEV(ハイブリッドモデル)は電気式無段変速機となる。
グレード体系を整理してパッケージモデルを新たに設定
従来モデルではガソリンエンジンのGグレードのほか、ハイブリッドモデルのe:HEV Xとe:HEV Z、そしてe:HEV プレイというグレード展開となっていた。そしてラインアップの中ではe:HEV プレイの人気が高かったが、駆動方式がFF設定のみだったため、4WDを希望するユーザーから不満の声も聞こえていた。
そこでマイナーモデルチェンジでは、e:HEV プレイをグレードではなく「e:HEV Z プレイパッケージ」というe:HEV Zグレードのパッケージモデルとして再設定したことで4WDを選択可能にした。
また、生産工程の都合で納期が伸びる原因だったパノラマルーフ(従来モデルのe:HEV プレイには標準装備だった)をオプション設定とし、さらにe:HEV Z プレイパッケージにはマルチビューカメラシステムとプレミアムオーディオがオプション設定となった。
もう1つ、マイナーモデルチェンジではe:HEV Xをベースとする新たなパッケージとして「e:HEV X ハントパッケージ」を設定。専用の加飾やルーフレールを装備し、インテリアもコンビシート×ファブテック(FABTECT)を使うことで、エクステリア同様にアウトドアのイメージを作り出している。
なお、ホンダでは新型車としてコンパクトSUVモデル「WR-V」を発売したことから、ポジションがやや被るGグレードのFFは廃止している。
新型ヴェゼル e:HEV X ハントパッケージ
まずはマイナーチェンジで新たに設定された「e:HEV X ハントパッケージ」から見ていく。
従来モデルにたいして新型ヴェゼルではフロントグリルの形下側を絞るような形状になり、よりスマートな顔つきになった。また、同時にフロントバンパーの造形も変更され、バンパーセンター下部及びフォグライトガーニッシュにはカッパー・メタリックの加飾が入った。ヘッドライトやフォグランプには変更はない。
リアまわりは、従来モデルはコンビネーションランプに電球も使っていたが、マイナーモデルチェンジではすべてLED化。また、灯火デザインも従来モデルではランプの外周に沿うようなものだったが、水平基調に変更しワイド感を付与した。
静粛性が高められたインテリア
e:HEV X ハントパッケージに限らず、マイナーモデルチェンジにてヴェゼルはエンジンルームと室内の隔壁や、フロアのカーペット下に遮音材を追加するなど、従来モデルより静粛性が高められている。
また、ルーフライニングには音を吸収して反響しないようにする吸音効果のある素材が使われているが、マイナーモデルチェンジではインシュレーターの厚みを2倍にしたほか、ルーフライニングがカバーする面を広げることで(側面側を伸ばして耳に近い位置での反響を抑えた)、走行時に聞こえるノイズの抑え込みを徹底している。
その他、全モデルともにメーター表示の変更も行なわれ、灯火類の点灯状態がグラフィックで確認できるようになった。
オートライトが主流になってからは「暗くなったらスイッチを操作してライトを点ける」という動作をしなくなったためか、ライトスイッチがオート以外の位置にあった場合、そのまま無灯火で乗ってしまうケースも見かけるだけに、グラフィック表示の導入はライトの付け忘れ予防になることが期待できる。
e:HEV Z プレイパッケージ
従来モデルではグレード展開だったe:HEV Z プレイが、e:HEV Zのパッケージとなって再登場。これにより従来モデルではFFのみだったところが、e:HEV Zに設定されるFFと4WDから駆動方式が選べるようになった。また、e:HEV プレイの特徴であったパノラマルーフをオプション設定としたことで、価格の抑えと納期の短縮ができたと言う。