FANTICレースチームマネージャー「ロベルト=ロカテリ」へのインタビュー公開

MOTORISTS合同会社は、FANTICのMOTO2 レースチームマネージャー、ロベルト=ロカテリのインタビューを発表した。

2000年の125㏄クラス世界チャンピオンであるロベルト=ロカテリは、自身がGPライダーであった豊かな経験を活かし、現在ではファンティック・レーシングのチームマネージャー&アドバイザーとしてチャンピオンシップを戦っている。アメリカズGPは9位という結果であったが、次戦のスペインGPはアーロン=カネット選手のホームGPということもあり、ロカテリは「へレスでの結果に期待してほしい」と意気込みを語った。

FANTIC・MOTO2 レースチームマネージャー、ロベルト=ロカテリ・インタビュー

2000 年の 125 ㏄クラス・世界チャンピオンであるロベルト=ロカテリは、自身が GP ライダーであった豊かな経験を活かし、現在ではファンティック・レーシングのチームマネージャー&アドバイザーとしてチャンピオンシップを戦っています。2024 年第 3 戦アメリカズ GP を終え、そのインサイダーとしての現況をインタビューしました。

「ポルトガル GP で表彰台の頂点に立った時の気分と言ったら、まるで月面を歩いているくらいふわふわした感じだったよ!」-チームマネージャーとしての初勝利をアーロン=カネットの活躍で味わった興奮をロカテリは語りました。

2024 シーズンの第 3 戦を迎え、チームはアメリカ、テキサスにたどり着きました。そう、カウボーイとロデオの町であり、冒険と発見の町でもあるテキサスは、また月面に最も近い街でもあり、宇宙空間に飛び出す感覚を味わえるという意味でも貴重な街でもあります。チームは、最初のイタリアン・アストロノウツ(宇宙飛行士)でもあるルカ=パルミターノがかつて 6 時間 7 分もの宇宙遊泳を楽しんだ経験を、そのテキサス州はヒューストンにあるスペース・センターで自ら案内するという貴重な体験を得た機会でもありました。

「あの有名な『ヒューストン、問題が生じた』というフレーズを発したその人にこの歴史的な場所を案内してもらえるとは思いもしなかったよ」とロカテリは語りました。「実際に体験した本人であるルカ=パルミターノだからこそ話せる宇宙の感覚を聞きながらのガイドツアーは本当に貴重な体験だったよ。彼の体験を聞きながら、僕たちは文字通り口を開けたままその文字通りアメイジングな時を過ごすことができたんだ。まったく、子供たちが夢に見ていたことを初めて体験する瞬間のような気分だった。素晴らしい経験だったし、文字通り月面を歩くってのはこういう感じなんだ、と思ったよ」

『オースティン、月面に降り立った。』

ファンティック・レーシングのミッションは、記念碑的なサーキットでもある「サーキット・オブ・アメリカズ」で続くことになる。「僕らは宇宙に触れた後で、地上に降りたってオースティンでの GP を走らせることになったわけだ」とロカテリは続けました。この週末、アーロン=カネットによる 2 度目のポール・ポジション獲得から始まり、チームのムードは最高潮にありました。

「ファンティック・レーシングのメンバー全員としては、ポールを獲得するために完璧な仕事をすることができたんだ。予選では最高のパフォーマンスを発揮することができて、レースではそれ以上の結果を出せる期待に満ちていた。すべての GP ラウンドと同様に、やるべきことをこなし、地に足をつけて知り尽くした仕事をこなしていけば結果は見えてくる、そんな状態だったんだ。でも、まさかあんなにひどいスタートとなってしまい、予想をはるかに超えるポジションダウンを食らうことになるとは思ってもいなかったよ。テキサスでのポール・ポジションは 1 コーナーに対して外側からのアプローチで、その 1 コーナーは一味違うアングルの、結構シャープなターンになっている。コーナー外側はワイドになるデザインのコースだから、多くのライダーが一気にインサイドに向かって殺到するのがスタートなんだ。わずかにスタートに失敗しただけでも、インサイドに殺到するライダーに押しのけられてしまい、カネットはワイドすぎるラインを通らざるを得なくなってしまった。結果として 1 コーナーを抜けた時点ですでに 10 番手と大きく出遅れて、そこからのひたすら上を目指して走り続けるバトルの展開になってしまった」

「でもまだまだ僕らはポジティブだ。アメリカズ GP を 9 位で終えたけど、これは逆にいえばアーロン=カネットなら続く彼にとってのホームGP、すなわちスペインGPでは望むものが得られるだけの力があるということだからね。これはまさに僕ら自身が自分に対して、シーズンオフの間中、言い聞かせてきたことなんだ。勝つことだけが目的ではなく、でも勝つためにここにいる。今回得たものは、チャンピオンシップを戦う上で貴重なポイントを得られたということだ。シーズン前半のポイント争いが激しい中で、これは非常に重要なことだ。今、ランキング 4 位のアーロンと僕らはゴールに向けて十分戦える状態といえるだろう。そう、24 年シーズンを通じて、表彰台県内で戦い続けるという狙いに向けて」

ユニークなサーキット、コタ

ザビ=カルデラスにとってのアメリカズGPは、このむつかしいコースで何とか走り続けるのがやっとという状態だったといっていいでしょう。「ザビは初めてのオースティンで、おまけにケガからの回復も十分ではなく、この難しいコースをどう攻めるかまでもたどり着けないままで終わってしまったね。一方で、1 周当たり 20 ものコーナーが迫りくるこの個性的でライダーを苦しめるサーキットを経験することができたのは悪いことじゃないはずだ。ザビは何とかここを走り切ることができて、大いなる経験も得られたはずだし、何よりもここでの経験やデータをヨーロッパに持ち帰ることができるというのも重要なんだ。カザフスタンGPまでの間、これまでの歴史を刻んできたヨーロッパのサーキットでの転戦が続くわけで、この間は我々の経験が生きることには自信を持っているし、カルデラスにとってもその経験が生きてくるはずだ」

スペインGPは 4 月 26 日から 28 日まで、コンチネンタル・サーカスのヨーロピアン・ツアーの皮切りとして開催されます。スペイン人のアーロン=カネットにとっては、次戦のサーキットであるヘレスは文字通りホームGPとなるわけです。「アーロンとスペインに向かうってことは、僕らにとって向かうべきところをさらに明確にする一歩となることでもある。何よりも重要なのは、僕らにとってだけではなく、MotoGP/Moto2のパドック内で、アーロン=カネットはトップライダーの一員である、と認められていることでもある。へレスでの結果に期待してほしい。これこそが我々の仕事であり、目標でもあるからね」とロカテリは締めくくりました

リリース提供元:MOTORISTS合同会社

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