FC POLT 障害者スポーツ大会で全国3位 新横浜を中心に活動 横浜市港北区

大会の様子(青いユニフォームがFCポルト)(C)松本力

第5回ソーシャルフットボール全国大会が4月13日、14日に、佐賀県佐賀市のSAGAプラザなどで行われた。全国から10チームが出場し、新横浜を中心に活動する精神障害者フットサルチーム「FCPORT(ポルト)」(篠崎安志代表)が3位銅メダルを受賞した。

同大会は、第23回全国障害者スポーツ大会オープン競技を兼ねた大会。特定非営利活動法人日本ソーシャルフットボール協会が主催し、2年ごとに開催されている。「精神障がい者フットサルを推進し、スポーツを通じて人とのつながりを築き、自信を培い、夢や希望を実現するとともに、精神障がい者に対する正しい理解と認識を広め、地域社会との壁のない環境を実現すること」を目的としている。

チームは5人(男女混合の場合6人)構成。3グループに分かれての予選リーグを勝ち抜いた上位4チームが、決勝トーナメントを戦った。第2回大会で準優勝して以来、6年ぶりの出場のFCポルトは初戦、日本代表選手も所属するamigo長崎(長崎県)と対戦。1対0で接戦を制した。「一番印象に残っている試合。みんなで準備した成果が出せてよかった」とキャプテンの阿部一樹さん。前回大会は出場に一歩及ばず、悔しい思いをしたという。念願の出場、3位受賞に、「嬉しい気持ちと共に、ほっとした」と笑みを浮かべた。大会を振り返り、篠崎代表は「準決勝で負けて崩れたメンタルを支え合って立て直し、次につなげられた」、監督の葛岡哲さんは「試合を重ねて、普段以上の力を発揮していた」と話し、チームや選手の成長を感じていた。

同チームからは、女性MVPに送られる「なでしこ賞」受賞者も出た。

フラットな交流の場

FCポルトは、2007年の第1回ヨコハマポルトカップの開催をきっかけに、定期的に活動できる場として09年に創設された。今年で15周年を迎える。現在はおよそ40人の登録があり、横浜ラポールを中心に月に2、3回活動している。下は10代から上は50代まで、様々なメンバーが集まっり、明るくフラットな関係を築いているそう。創設当時からチームを運営してきた篠崎さんは、FCポルトを「支援する側とされる側の垣根を超えられるコミュニティ」と評する。阿部さんは「好きなことを通して、同じ境遇の人と過ごせることは嬉しいし、チームに所属して関りが広がった。チームに出会えて幸せ」と笑顔で語った。

近年、神奈川県内外のの障害チームどうしの交流や、精神保健の啓発活動にも力を入れている同チーム。年に2回開催している交流会には、県内にあるソーシャルフットボールチーム全4チームが集合する。競技やコミュニティの存在を広めるだけでなく、選手も運営側にまわることで社会活動のきっかけにもつながっているという。また、小学校での講話なども行っている。篠崎さんは「活動を通して、障害がある人が社会に出るきっかけをつくり、精神障害への理解を深めていければ」と話していた。

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