「ナイス勝利! 決勝も勝つぞー!」圧巻2発で絶叫の植中朝日、キューウェル監督からの指令は未達成「反省しています」【ACL準決勝】

横浜F・マリノスは4月24日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝・第2戦で、韓国王者の蔚山現代とホームで対戦。2戦合計3-3で突入したPK戦を制し、夢にまで見たアジア制覇に王手をかけた。

敵地での第1戦は0-1で敗れたなか、マリノスは30分で3発を叩き込み、一気に逆転。ただその後、前半のうちに連続失点し、2戦合計で同点に追いつかれたうえ、上島拓巳が一発退場となり、押し込まれる我慢の時間が続いたが、決死の守備で勝ち越し点は許さず。チーム一丸で決勝進出を勝ち取った。

このクラブ史に残る大熱戦で圧巻の2発を叩き込んだのが、インサイドハーフで先発し、62分までプレーした植中朝日だ。まず13分にペナルティエリア内での相手の一瞬のお見合いを見逃さず、ボールをかっさらい、冷静にフィニッシュ。さらに30分には、ペナルティエリア手前から強烈なミドルシュートを突き刺した。

「自分のゴールももちろん嬉しいですけど、 チームが勝ったことがそれより嬉しいので、本当に120分間とPKを必死に頑張ってくれたチームメイトに感謝したいです」

試合後の取材対応で、謙虚にそう語る22歳のストライカーは、自身のゴールに関して問われた際には、次のように振り返った。

【PHOTO】蔚山スタジアムの様子を大公開!貴重な内部潜入写真も!韓国ならでは?の新発見続々
「1点目は相手ディフェンダーのもたつきがあって、自分的にはそういうところを常に狙っているので...ラッキーだなって感じでした。

2点目は自分の後ろに相手がいるのも分かったうえでターンできると思って、ターンした時に打とうと。シュートはできすぎました(笑)。置き位置は完璧じゃなかったんですけど、置き位置的にニアで巻けるかなって。僕のあんなゴール、もう見れないのかもしれないですけど(笑)、とりあえずああやって決まったので、また自信を持ってああいうのも打っていこうと思います」

ハリー・キューウェル監督からは、前日にハットトリックの指令があったという。

「前日会見があって部屋から出た時に、『明日お前3点取れよ』みたいな感じで言われて、 『もちろんです』と答えたんですけど、1点足りなかったので反省しています」

勝利のお祝いとして行なう、観客に向けた円陣では、マイクを手に「ナイス勝利!決勝も勝つぞー!」と声を張り上げた。「あんまりするタイプじゃないんですけど、今日ぐらいはいいかなって」とはにかむ初々しい22歳は、ここからゴール量産となるか。再びの絶叫を期待したい。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

© 日本スポーツ企画出版社