ほどがや元気村 豊作願い鍬入れ式 区内唯一の水田で児童が 横浜市保土ケ谷区

鍬入れ式のようす

保土ケ谷区内に残る唯一の水田を利用して子ども向けの伝統農業体験教室などを行っている川島町の「ほどがや☆元気村」(青木毅村長)で4月20日、1年間にわたって米や野菜作りを学ぶ「どろんこ教室」の開村式が行われ、小学生や関係者が方豊作を願い鍬入れ式に臨んだ。

「子どもたちに食と農の大切さを知ってもらおう」と始まった同所での稲作体験プロジェクトは2009年にスタート。フィールドとなる帷子川沿いの水田は区内唯一の稲作農家・三村敦夫さんが所有しているもので、「元気村」の取り組み趣旨に賛同し、600坪の田んぼのうち100坪ほどを毎年、子どもたちの稲作体験の場として提供している。

三村さんによると、高度経済成長期を境にそれまで区西部域を中心に広がっていた田園風景は昭和40年ごろから減少。2000年を迎える頃には三村さんが所有するこの水田が区内唯一の田んぼとなったという。

この日の開村式には今年の教室に参加する小学4年生から6年生までの児童40人が参加。今後、6月上旬に田植えを行い、秋には収穫、脱穀、精米作業などを体験し、12月に「元気村米」を使い、つきあげた餅を味わう予定となっている。

関係者によると、この稲作体験を経験した後、「お茶碗に米粒を残さなくなった」という声も多いという。今年から村長に就いた青木さんは「区内ではここでしかできない米作りや畑作業を体験することで『食と農の大切さ』を伝えていくことができれば」と話した。

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