7-Eleven/質を伴った店舗を世界30カ国に10万店目標

セブン&アイ・ホールディングスは4月23日、セブン-イレブンのグローバル展開を担う7-Eleven International LLCの中期目標として、2030年に世界30カ国10万店を目標とすることを発表した。

<7-Eleven International LLC>

同日、WEBで開催したIR DAYで、7-Eleven International LLCの若林健取締役社長兼CEOは、「我々の成長戦略は、新規国への進出加速、既存展開国の支援、戦略的重要市場への投融資の3つを柱としている。3月末現在で、世界の20カ国・地域に約8万5000店を営業しているが、世界地図でみると、まだ空白地帯が多い。新規国の開発に徹底的に取り組むことで、2030年までに最低でも30カ国、店舗数についても10万店を目指す」と述べた。

その上で、「ただ、我々の目的は、単に10万店を数で目指すのではなくて、やはり質が高くて地域の顧客に愛される店舗、こういった店舗を世界の街角に設けるということだ。そのため、店舗数自体は、正直あまり重要視はしていない。重視しているのはあくまで中身だ。 商品の質、接客の質、こういったものを、各国、各店舗において今まで以上に全社一丸となって追求したい。そうすることで、結果的に数もついてくる」と説明した。

新規国への進出加速では、現在、リスク指標・成長性指標など30指標を用いて進出優先国を選定している。候補国の市場規模や将来ポテンシャルを加味し、優先ターゲット市場を選定した。2024年の最優先市場は、欧州8カ国、南米4カ国、アフリカ2カ国、中東2カ国、APAC1カ国となっている。今後、毎年2カ国で実際に契約を締結することで、2030年までに現在の20から30カ国体制を実現する。日本、北米、アジアに続く市場として、欧州を第四の柱とする目標を掲げる。

既存展開国の支援では、マレーシアで日本デリカフーズ協同組合(NDF)の協力を得て、現地に新工場を設立した。質の高い商品供給を開始したところ、ファストフードの販売構成は2.3倍、平均日販は1.7倍に拡大した。今後、マレーシア全土にこのモデルを拡大する計画だ。

戦略投資による成長では、オーストラリアでコンビニエンスストアなどを運営するConvenience Group Holdings Pty Ltd(以下:SEA)の全株式を取得した。

グローバルな人口成長予測では、2020年を100とした時にオーストラリアは126というペースで人口が増えると予測されている。移民を受け入れる国でもあり、人口が増え、 日本と違ってやはり平均的な年齢も非常に若い子育てファミリー層が多い。

セブン-イレブン1店あたりの人口をみると、日本は5780人に1店、米国は2万5789人に1店、オーストラリアは3万4574人に1店となっている。日本と比べると、1店舗当たりの人口及び人口動態が良好で魅力的な成長市場となっている。

オーストラリアは主にこの東海岸を中心に店舗を展開し、 約7割がフランチャイズ、ガソリンスタンド併設店も6割強となっている。オーストラリア国内のコンビニのシェアではセブン-イレブンが1位となっているが、国民1人当たりのコンビニでの購買金額で見ると、日本は1人当たり10万円なのに対してオーストラリアは2万円程度にとどまっている。そこで、品揃えを変えることで、まだまだ購買金額を伸ばせる市場だという。

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