渋谷駅前のツタヤが帰ってきた! 本日開業「SHIBUYA TSUTAYA」内部をじっくり見てきた

by 村上俊一

2024年4月25日 開業

4月25日にリニューアルオープンした「SHIBUYA TSUTAYA」

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する「SHIBUYA TSUTAYA」が、4月25日にリニューアルオープンした。本稿では前日に開催された報道公開の様子をお届けする。

「SHIBUYA TSUTAYA」は、渋谷駅渋谷駅ハチ公改札を出てすぐ渋谷スクランブル交差点(渋谷駅前交差点)に位置するCCCの旗艦店。前身の「渋谷TSUTAYA」は1999年12月に開業、CDやDVDなどのメディアのレンタルサービスを行なっていたが、今回のリニューアルでレンタルショップではなくなっている。

「好きなもので、世界をつくれ。」をテーマに、「IP(Intellectual Property=知的財産)」とコラボレーションしたフロア構成を強く打ち出し、訪日外国人も楽しめるよう工夫されている。簡単に言えば、アニメやアイドルなどの「推し活」をする人たちにとって夢のようなスペースとなっていて、豊富な休憩スペース(総数約500席!)がうまく融合している。スクランブル交差点を上から見渡せるスポットとして、以前も人気が高かった「スターバックスコーヒー」は2階に入り、眺望はここからだけでなく、3~4階の「SHARE LOUNGE」からも楽しむことができる。

渋谷スクランブル交差点から見る「SHIBUYA TSUTAYA」。商業ビルとしては「QFRONT」という名称は変わらない
渋谷スクランブル交差点。世界一混雑するとも言われる。左に「SHIBUYA109」が見える
1階正面。現在コラボ中のアニメ「WIND BREAKER」のキャラクターが描かれている
1階に大きなサイネージがある
2階にもサイネージ
エントランスまわり。ここにも小さめだがサイネージがある
フロアマップ
看板には400シートと書かれている
地下2階は渋谷駅と地下街で直結している

1階は「Shibuya IP Square A」として、渋谷駅前という立地を活かしたIPとコラボレーションをするイベントスペース。オープンから5月1日までは、アニメ「WIND BREAKER」のポップアップストアを開催する。3台の大型ビジョンが設置されていて、迫力ある映像が楽しめる。推しの世界観をリアルの場で体感できるスペース。同様の地下1階「Shibuya IP Square B」は「ぶいすぽっ!」が展開する予定だが、内覧会で公開されなかった。

1階は「Shibuya IP Square A」大型ビジョンが大迫力
5月1日までアニメ「WIND BREAKER」のポップアップストアを開催
裏側にも大型ビジョンがあった。全方位で楽しめる。ビジョンは可動式
「Photomatic」という韓国発のプリクラを設置
キャラクターと一緒に写ることができる

地下2階は「ENTAME WONDERLAND」として、アーティストやタレント、アイドルなどの特別展示を行なっている。音楽や映像の作品、写真集などが集められているほか、大型パネルとビジョンによる展示も行なう。

地下2階は「ENTAME WONDERLAND」
アーティストごとにまとめている
新譜をピックアップした展示
ボーイズグループ「BE:FIRST」の新譜発売の大型パネル展示
「WEST.」10周年記念シングル発売記念パネルもデカい

2階には、「スターバックスコーヒー」が入る。1階にも持ち帰り専用窓口がある。デザインコンセプトの「STARBUCKS Green Ribbon」を掲げ、ベンチやスタンディングデスクが1本のリボンとしてつながった特徴的なデザインとなっている。また、頭上に湾曲して流れるように表示されるデジタルアートは、コーヒー農園と東京をつなぐストーリーを映し出している。通り側の窓ぎわの席では、渋谷スクランブル交差点を眺めながら休憩することができる。

3階から4階は「SHARE LOUNGE」という、有料の時間制カフェラウンジスペースとなっている。3階はアニメや特撮などのフィギュアが展示され、4階は商談やコワーキングスペースとしても利用できる落ち着いた作り。

受付をすればどちらも行き来は自由(飲食を持って移動は不可)。ソフトドリンクプランは1時間1650円が基本になっていて、1日利用は5500円。飲食はすべて時間内フリーで、コーヒーやお菓子などのほか、3階のみだが冷凍食品など軽食も食べることもできる。

アルコールを含むプランは1時間2200円で用意していて、仕事帰りにも利用できる。すべての座席に充電用のACコンセントがあり、Wi-Fiもあるので、休憩だけでなく仕事もできる。カフェで仕事などで長時間居座るのは気が引けるが、時間貸しなら気兼ねなく滞在することができるだろう。8時~23時と営業時間も長い。

5階は「POKEMON CARD LOUNGE」で、ポケモンカードゲーム体験ができるフロアとなっている。このフロアは期間限定イベントではない。

座席に余裕のある暗めで上質なオリジナル対戦シートで、利用するカードなどの貸し出しもある。一般料金が1時間1650円で、3時間パックが3650円。フリーのスナックとドリンクの提供がある。現在では入手困難な「ポケモンカードゲーム Classic」の貸し出しも行なわれていた。

カードのコレクションが加熱気味だが、純粋に対戦を楽しみたい人にはありがたいスペースだと言えるだろう。対戦するには基本的に友人と連れだってくる必要があるが、要望があれば単独で来店してマッチングするサービスも考えていきたいとのこと。

6階は「IP SHOTEN」として、ここでしか買えないアイテムを多数揃える、主にマンガやアニメ関連の書店。グッズ販売もある。コーナーは、短期間で頻繁に入れ替わりが行なわれるそうだ。サイトやSNSでチェックしておくとよいだろう。新刊を揃えるコーナーも用意している。

7階は「COLLABORATION CAFE」として、コラボレーション中のIPから発想を得た、オリジナルのフードやデザート、ドリンクを提供する。コラボカフェなどが開催。大型ビジョンでの映像放映や、限定グッズ販売コーナーなどがある。オープンから5月12日までは、テレビアニメ「WIND BREAKER」コラボカフェが開催されている。入場にはチケットが必要だ。

内覧会では、CCC 代表取締役社長兼CEOの髙橋誉則氏が登壇した。髙橋氏は、2023年に創業者の増田宗昭氏から引き継ぎ、代表取締役社長に就任している。

「私どもは、これまでTSUTAYAを通じてコンテンツの素晴らしさを全国に届けてきました。そして、このSHIBUYA TSUTAYAでは、それぞれの皆さんの“好き”に出会える場所を作りました。私たちにとって、新たな挑戦のステージとなります。ここをスタートに新しい価値を世の中に生み出し、時代の一歩先を行くようにありたいと思います。ぜひ皆さん、たくさんの方を足を運びいただいて、このSHIBUYA TSUTAYAをぜひ体感をしていただきたいと思っております」とあいさつした。

続いて、CCC 渋谷プロジェクト エグゼクティブプロデューサーの鎌田崇裕氏が、SHIBUYA TSUTAYAについて解説した。

渋谷は“若者の街”と呼ばれているが、訪れるのは20代の女性がもっとも多く、さらに訪日外国人が観光地として訪れることが特に多いと言う。渋谷はIPコンテンツが集積し、発信の場としているエリアであるとし、IPもより広域的にとらえ、例えばVTuberやファッション、フードなど、コラボレーションは広く積極的に考えているようだ。こういったターゲットを見据え、SHIBUYA TSUTAYAのリニューアルが行なわれている。

また、渋谷は休憩できるスペースが少ないという部分にも、十分に応えられているという。そして最後には、「SHIBUYA TSUTAYAが単に渋谷のランドマークに終わらず、日本のコンテンツを世界に発信するというビジョンを持ちながら、日本のみならず世界が元気になるような取り組みを積み重ねていきたいと考えています」と結んだ。

なお、オープン日の4月25日は、整理券を配布や入店人数の制限が行なわれる予定になっているので注意が必要だ。リンクのサイトから、最新の情報を得てから訪れてほしい。1階の持ち帰り専用スターバックスと地下2階は入館規制の対象外となっている。また、全館で支払い方法が完全キャッシュレスとなっていて、現金の取り扱いがない点にも注意してもらいたい。

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