NPO法人ぶどうの樹 障害者支援、地域と共に20年 「地元に貢献していきたい」 横浜市戸塚区・横浜市泉区

松陽高校の吹奏楽部(右上)と書道部(左上)テツandトモの二人もゲストで登場

地域住民も参加

障害者の就労支援に取り組む泉区のNPO法人ぶどうの樹(和泉町)がこのほど、設立20周年を迎えた。4月20日には泉公会堂で約20年来の交流がある松陽高校とコンサートを開催し、地域住民らを楽しませた。

3回目となるコンサートには同校の吹奏楽部と書道部が出演。昨年までは同法人が運営する施設利用者や家族のみのイベントだったが、今年は泉区社会福祉協議会やいずみ中央地域ケアプラザの協力を得て、地域住民にも来場を呼びかけた。

書道部のパフォーマンスに続いて吹奏楽部はアニメのテーマソングなどで会場を盛り上げた。

また20周年の特別ゲストとして人気芸人の「テツandトモ」も登場。おなじみのネタを「『ぶどうの樹』なのにぶどうは作っていないのなんでだろう」などアレンジして披露し、会場も巻き込んで笑いを誘った。

増えるニーズに応えながら

2003年に障害者地域作業所として利用者10人ほどからスタートしたぶどうの樹。同法人の副施設長・山根剛さんは「身体・知的の障害と違い、精神障害の人が通える施設が少なかった。なので、誰でも通える施設を目指してきました」と振り返る。

その後も地域ニーズに応えるように、07年には泉区役所そばに喫茶店を備えたパン屋(第2ぶどうの樹)を開所。12年、17年と拡張し、4施設で総定員は96人となったが、なお地域ニーズは増え続けているという。

山根さんは「泉区の地域住民のみなさんは懐深く、温かく見守ってきてくれた」と感謝を口にする。第2ぶどうの樹には近隣の和泉小学校の児童たちが考案したパンも並ぶなど交流も続く。「閉店するお店もある中、続けてこられたのは地域のおかげ。これから一層、還元していきたい」と語った。

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