IMF借款、上乗せ金利が中低所得国に重圧 債務危機リスク深刻化も

Bansari Mayur Kamdar

[24日 ロイター] - 中・低所得国を中心とする国々が、国際通貨基金(IMF)借款の「基本金利」の支払いに加え、「上乗せ金利」の重圧にさらされ、世界的な不平等の拡大につながっている。米ボストン大学のグローバル開発政策センターとコロンビア大学の政策対話イニシアティブが23日公表した報告書で明らかにした。

報告書によると、IMF借款を抱える加盟国数は2020年から23年までの間に2倍超に増加した。上乗せ金利の支払総額は計約64億ドルに達し、このうちウクライナやエジプト、アルゼンチン、バルバドス、パキスタンなどの支払いが突出し、全体の90%を占めていた。

米シンクタンクの経済政策研究センター(CEPR)が最近まとめた報告書では、IMFは今後5年間で推計98億ドルの上乗せ金利払いを課す見通しだ。

こうした中・低所得国向けの融資政策の在り方には批判が上がっている。上乗せ金利は債務返済を早めるものではなく、むしろ資金難の国をさらに追い詰めて債務危機のリスクを増大化させてしまうという。

世界の主要金融機関が加盟する国際金融協会(IIF)が今年2月に発表したデータによると、世界の債務残高は23年に過去最高の313兆ドルに達し、債務残高の対GDP比も新興国全体で見ると最高水準を更新した。

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