震災伝承 若き担い手育成 名取市と2団体、協定締結

協定書を掲げる丹野さん(左から2人目)、山田市長(中央)、格井さん(右から2人目)ら

 東日本大震災の伝承活動の担い手を育てようと名取市は24日、地元で活動する「ふらむ名取」「閖上の記憶」の一般社団法人2団体と協定を結んだ。語り部の高齢化が進んでおり、講座などを通じて仲間を増やす。震災伝承を狙いとした協定は市では初めて。
 市役所で締結式があり、山田司郎市長と両団体代表が協定書に署名した。山田市長は「震災を知らない世代が増え、記憶と教訓を風化させないよう連携したい」とあいさつした。
 ふらむ名取は昨年度、学生を中心に3755人をガイドした。代表理事の格井直光さん(65)は「若い人に興味を持ってもらえたら」と期待する。
 閖上の記憶は活動丸12年を迎え、昨年度は団体の伝承施設に6967人が来館した。代表理事の丹野祐子さん(55)は「誰でも自由に語れる社会になってほしいし、学校のクラブ活動があってもいい」と話した。

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