伊達騒動を研究する宮城の涌谷藩志会が地元で講演会 仙台藩存続願う伊達安芸の思い紹介

講演する桜井会長

 藩制時代に涌谷町などを治めた涌谷伊達家を顕彰する涌谷藩志会の講演会が20日、町公民館であった。
 50年前から伊達騒動を研究してきた同会の桜井信孝会長(86)が「伊達安芸はなにを考えていたのか」と題し、仙台藩存続を願い続けた涌谷伊達家当主の伊達安芸の思いを紹介した。
 桜井会長は、安芸が伊達家4代綱村の後見役として権勢を振るう伊達兵部をたしなめるよう伊達家一門に送った書状を紹介。また、登米伊達家との境界争いを幕府に訴えることで「兵部らを藩の要職から引き下ろすチャンスと考えていたのでは」と指摘した。
 講演会には約110人が参加。涌谷藩志会の本年度の総会も行われ、今年1月に85歳で亡くなった涌谷伊達家第18代当主の亘理和彦さんを追悼した。

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