写真界の直木賞・土門拳賞を受賞した石川真生さんの写真展「石川真生 私に何ができるか」

By CAPA編集部

石川真生さんの第43回土門拳賞受賞作品展「石川真生 私に何ができるか」が、2024年4月30日より開催される。

「沖縄でバイレイシャル (ミックスルーツ) として生きること」2021年

第43回土門拳賞は、写真展「石川真生 私に何ができるか」(2023年10月〜12月・東京オペラシティアートギャラリー) に決まった。同展は新作の「大琉球写真絵巻」を中心に、これまでの活動を展観したもの。

石川さんは沖縄生まれ。沖縄で生きる人々にフォーカスし、基地問題や文化、国の在り様など、この地から見えてくる問題を見つめ、問いかけてきた。沖縄に基地が多いことに疑問を持ち、米兵相手のバーに勤め、彼らの声を聞いた。米兵たちのルーツを知るために、知り合った黒人兵の故郷を訪ねてアメリカへも渡る。

沖縄芝居の劇団でいご座を追った写真集『沖縄芝居 仲田幸子一行物語』は、1977年から14年ほどを費やして撮影している。「大琉球写真絵巻」は400年におよぶ琉球の歴史上の場面を再現し、撮影した創作写真だ。2014年から撮影を始め、最新作でパート10を数える。「状況に身を投じてその状況を浮かび上がらせた写真」と、その持続する志が高く評価された。

第43回土門拳賞受賞作品展 : 石川真生「石川真生 私に何ができるか」

東京

会期 2024年4月30日 (火) ~5月14日 (火)
会場 ニコンプラザ東京 THE GALLERY
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F
時間 10:30〜18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜・5月3日 (金・祝) ~6日 (月・祝)
入場料 無料
問い合わせ THE GALLERY (TEL 0570-02-8080)

大阪

会期 2024年5月23日 (木) ~6月5日 (水)
会場 ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
住所 大阪市中央区博労町3-5-1 御堂筋グランタワー17F
時間 10:30〜18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ THE GALLERY (TEL 0570-02-8080)

石川真生 (Mao Ishikawa)

1953年、沖縄県大宜味村生まれ。1970年代から写真をはじめ、WORKSHOP写真学校東松照明教室で写真を学ぶ。沖縄を拠点に制作活動を続け、沖縄の人々に密着した作品を制作している。国内外で広く写真を発表し、沖縄県立博物館・美術館のほか、東京都写真美術館、福岡アジア美術館、横浜美術館、ヒューストン美術館 (アメリカ)、メトロポリタン美術館 (アメリカ) など、パブリックコレクションも多数。
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土門拳賞

土門拳賞は、今日の写真文化の大きな流れのひとつをつくった土門拳の輝かしい業績をたたえ、毎日新聞社が創刊110年記念事業のひとつとして1981年に制定。毎年、プロ・アマを問わず優れた成果をあげた写真家を表彰している。受賞作品展は東京と大阪のニコンプラザで開催され、作品は山形県酒田市の土門拳記念館で展示された後、同館に永久保存される。第43回の選考委員は、大石芳野 (写真家)、石川直樹 (写真家)、梯久美子 (作家)、北島敬三 (写真家)、砂間裕之 (毎日新聞社執行役員) の5氏が務めた。
→ 土門拳賞
→ 土門拳記念館

〈文〉市井康延

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