防げ、小学生の交通事故 青葉署「左右確認の徹底を」 横浜市青葉区

子どもが関連する交通事故の中で、全国的に小学1年生がからむ事故が多いことから、「魔の7歳」と言われている。新入学や新学期などで生活環境が変わることもあり、交通事故に対して細心の注意を払うべき時期。2023年の全国での交通事故発生状況をもとに、青葉警察署交通課に子どもの安全を守るために何が必要かを聞いた。

警視庁がホームページで発表している資料によれば、2023年に全国で発生した小学生の交通人身事故件数は1109件。死者は3人で、いずれも前年に比べて増加している。

23年に発生した人身事故を学年別で見ると、小学1年生は123件、2年生が176件、3年生と4年生が同数の200件、5年生が229件、6年生が181件で、低学年の比率は決して高くない。ただし、歩行中に限れば1年生が85件、2年生が101件。1年生では約7割、2年生も約6割が歩行中に人身事故に遭っていることが分かる。一方、高学年になるほど歩行中の事故が減り、自転車乗用中の事故が増えている状況だ。

時間帯別では、下校時や下校後にあたる午後4時から6時が突出して多く401件。2時から4時が257件、正午から2時が130件と続く。

違反別の事故発生状況を見ると、歩行者側の約3割に違反があり、そのうち飛び出しを原因とするものが62件と最も多い。

青葉区は減少傾向

青葉署管内では、23年に小学生が関係する人身事故が21件発生している。学年別に見ると、1・2年生が共に5件、3年生が2件、4年生が1件、5年生が3件、6年生が5件となる。19年から23年までの累計でも、1年生から順に24件、19件、26件、19件、24件、24件と特に突出した差は出ていない。

交通課の杉山裕紀課長は「昨年は過去5年間で最少の事故件数で、青葉署管内では小学生の事故は減少傾向にある」と話す。理由として挙げるのが集団登校や教諭・地域住民による見守りの充実だ。「高学年をはじめ、地域の方々が交通ルールを指導してくれている。ただ低学年の児童は身長の問題もあり、大人に比べて視界が狭い。家や学校、建物から道路に出る際に、飛び出さないで左右の確認をすることを、繰り返し伝えてほしい」と話している。また、目立つ服や反射材の着用も、事故防止に効果的とした。

自動車の運転者に対しても「学校周辺や住宅街では、道路状況に合わせた速度で、常に危険予測をしながら走行いただくことで、小学生の事故は減らすことができる」と呼び掛けている。

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