元Jリーガー韓国人監督「おめでとうと賛辞を贈りたい」 ACL決勝進出の横浜FMに示した潔さ

蔚山現代を率いるホン・ミョンボ監督【写真:徳原隆元】

横浜FMが蔚山現代を下しACL決勝へ進出

横浜F・マリノスは4月24日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で韓国1部蔚山現代と対戦し、3-2の合計スコア3-3で迎えたPK戦の末、5-4で競り勝ち、クラブ史上初となる決勝進出を果たした。試合後、敵将であるホン・ミョンボ監督は「横浜FMが勝ち進んだことに、おめでとうと賛辞を贈りたい」と潔く勝者を褒め称えている。

先週に行われた敵地での第1戦では、横浜FMは蔚山現代に0-1と敗れた。勝利が義務付けられたホームでの第2戦では、前半13分、21分、36分と立て続けにゴールを奪い、開始30分間で3得点を記録するこれ以上ない立ち上がりを見せたが、その後は連続失点、退場者による数的不利など、事態は一変。蔚山現代の猛攻に遭うも、延長戦まで耐え抜き、PK戦を全員成功で競り勝って、クラブ史上初となる決勝へと駒を進めた。

試合後、ホン・ミョンボ監督は開口一番で「まず結果に関して、非常に残念に思う。そして、横浜FMが勝ち進んだことに、おめでとうと賛辞を贈りたい」と言及。試合については「前半で失点を重ねてしまった。ビッグゲームだったが、選手は諦めずに戦い抜いた。相手にレッドカードが出たこともあり、ゴールを狙い続けたが、十分に決めることができなかった」と敗因を振り返っていた。

数的有利となった蔚山現代は幾度となく決定機を演出したが、相次ぐポスト直撃やGKポープ・ウィリアムの好セーブに阻まれ、決定力不足に泣かされる試合となった。キューウェル監督も「正直な話、自分たちに運があった。10人になってからは多くのチャンスが相手にあった。相手のテンポも素晴らしく、どんどん攻め込まれていた」と、退場者を出してからの試合内容では蔚山現代が優位であったことを認めていた。

ホン・ミョンボ監督は現役時代、ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)や柏レイソルでプレーした経験もあり、日本サッカーに所縁のある存在だが、敗戦後の記者会見では潔い姿勢を示していた。(城福達也 / Tatsuya Jofuku)

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