2023年4月、佐世保市のハウステンボスで遊覧船から乗客の男性が運河に転落し死亡した事故で、運輸安全委員会が調査報告書を公表しました。
2023年4月12日の夜、ハウステンボスの運河を航行する遊覧船「カナルクルーザー」から台湾籍の男性(当時42)が転落し死亡しました。
船は7人を乗せて出発しましたが、「ドーン」という音がして後方のデッキにスマートフォンが落ちているのが見つかりました。
運河では、この男性が意識がない状態で見つかり、5日後(17日)に死亡が確認されています。
事故について調べていた運輸安全委員会は、男性が当時1人でいて、目撃者や監視カメラなどの客観的な情報もないことから転落の原因は「明らかにできなかった」との報告をまとめました。
男性からアルコールは検出されておらず、健康や精神状態にも問題はなかったものの、泳げなかったということです。
運輸安全委員会は夜間の捜索や意識がない転落者を救助するなど、様々な状況を想定した訓練をすることが望ましいと指摘しています。
事故の後、ハウステンボスは船の後方デッキに乗る客に救命胴衣の着用を求めたり、操縦席から状況を把握できるようカメラを設置するなど再発防止策をとっています。