「江田島の観光の発信拠点に」  後継者不足で休業の新鮮市場が復活! 地元温泉宿の思いに迫る 広島

ツイセキです。
観光客やサイクリストなど年間3万人が訪れる江田島市にとって貴重な観光資源だった新鮮市場。後継者不足による突然の営業休止から1年、新たな船出を迎えようとしています。

<準備風景>
塗装をする職人…。
こちらでは海草を準備する人も…。
大きな黒板の前では何やら地形のようなものを書いています。
この場所、元々は…。

合併前の江田島町時代に国の補助金で建てられた「海辺の新鮮市場」
江田島市内の漁業振興を目的に水産物の加工や販売施設として漁協が運営し、新鮮な魚介料理が食べられるとあって観光客やサイクリストからも人気の店でした。

しかし、去年春、突如「営業休止」に…。
理由は跡継ぎがいない人手不足で市内11漁協の全てがこの先は「担えない」というものでした。
そこで手を挙げたのが…。

【江田島荘・阿部 直樹 総支配人】
「私たちのいままで3年間、江田島の中で江田島荘として培ってきたことが発揮できる場所だと、それが江田島のためになるということも自負はしているので、私たちがやる意味があるんじゃないかと」

実は、これまでは国の補助金で建てたため、漁業関係者のみが営むことができましたが、条件が緩和され市は去年、“初”の一般公募を実施。

複数の事業者が興味を示し最終的に市内で温泉宿を営む江田島荘に決まりました。

【スタッフ】
「これ全部江田島(で獲れた魚)、より江田島のものを良く見てもらうためには工夫して並べている。(刺身など)家庭で使いやすいように調理はこちらでする」

1階は地元の魚や野菜のほかお土産品を取り揃えています。

【鈴木記者】
「2階には食堂がありますが、こちらも綺麗にリフォームされていますね。提供される料理ですが、江田島の食材をふんだんに使った御膳など様々用意されています」

【江田島荘・阿部 直樹 総支配人】
「ビジネスついでに来られた方がお仕事しながら食事ができるようにもしている。(窓から見える)江田島湾にアマモがすごく群生している。ここが有名だそうで、そこにあやかって「あまも」という名前にしたが、アマモに魚が集まってくるみたいに、ここにもたくさんの人が集まってくれたらいいなと」

市の人口よりも多い「年間3万人」が訪れ、コロナ禍に入ってからも2万人台後半を維持するなど江田島市にとって貴重な観光資源だった施設の復活…。

【江田島荘・阿部 直樹 総支配人】
「観光の発信の拠点にしていきたい。お客様に江田島でこんないいものがあるんだというところは伝えていきたい。江田島のここでしかできないというところは大切にしていきたい」

将来、運営が立ちゆかなくなり“消滅の可能性がある自治体”とも評価された江田島市。
さらなる地域の活性化を目指します。

【江田島市民は】
「やっぱり発展してほしいお客さんがいっぱい来てほしい。一時はすごい人だったんですよここ…」

“新たな船出”は「あさって27日」です。

<スタジオ>
【加藤キャスター】
以前の新鮮市場、私も結構、江田島に行く機会が多くて、本当に美味しくて、何ならもうここに行くのが楽しみというくらいの勢いだったんですが、新川さん担い手不足という課題にどう取り組んでいくかというのは、日本各地で考えていかなきゃいけない課題ですね。

【コメンテーター・新川 美佐絵さん(JICA中国)】
「そういうことを考えると、その自治体・公的機関が立ち上げて、民間にシフトしていくっていうビジネスモデル、すごくいい形だと思うんです。やっぱり広島市内にもインバウンドのお客さんも、すごく増えているので、島に渡るっていう魅力も含めて県外とか国外からのお客様が増えていくといいですね」

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