高級住宅街の空き家で暴行か 栃木で夫婦2遺体発見 「目につかず」空き家が犯罪温床に

栃木県で夫婦の遺体が見つかった事件で、新たな情報が入ってきた。
東京都内の空き家のガレージから血痕が発見され、夫婦がこの空き家で暴行を受けた可能性があることがわかった。

犯行現場になったとみられるのが、東京都内でも治安が良いとされる高級住宅街だった。

栃木・那須町で、焼けた夫婦の遺体が見つかった事件。
遺体が発見された16日の午前0時ごろ、すでに逮捕されている平山綾拳容疑者の知人の男ら2人が、都内にある一軒家で夫婦と接触していたとみられることが警視庁への取材でわかった。

24日に行われた家宅捜索の様子。
白いテントが立てられ、鑑識らしき捜査員の姿も確認できる。

捜索では、ガレージから血痕が見つかり、警視庁は、夫婦がこの家の中で暴行を受けた可能性があるとみている。

死亡したのは、宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)。
幸子さんの頭部には骨折した痕が複数あり、鈍器のようなもので何度も殴られたとみられている。

現場となった一軒家の外見はデザイナーズ住宅のようで、一見したところ新築のようにも見える。

しかし、現在は空き家の状態だという。
2階を見るとカーテンがなく、家具も置かれていない様子に見え、ガレージも落ち葉が積もった状態だった。

元埼玉県警の佐々木成三氏は、この空き家が以前から犯罪組織の拠点として使われていたのではないかと推測する。

佐々木成三氏「計画的な犯行なので、殺害場所ももともと選定していた可能性は高い。空き家というのは目につかない場所ですし、犯罪してもバレにくいというところが1つのポイント」

全国的に増え続ける空き家。
佐々木氏は、こうした空き家が組織犯罪の温床になっていると指摘する。

付近を回ると、捜索が入った空き家のすぐ隣にも、草が伸び放題で手入れされていない様子の空き家があった。

そして、すぐ近くの3階建てのアパートも空き家だという。

ほかにも、捜索が入った空き家から半径50メートルのエリア内で、空き家とみられる建物が4軒ほど見つかった。

平山容疑者は逮捕後、「大金を受け取る約束をしていた」と供述しているが、警視庁の捜索で、自宅や口座からは確認されなかったという。

警視庁は、空き家から見つかった血痕が誰のものか、DNA鑑定を進めている。

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