国際線再開でインバウンド客にかける期待 コロナ禍前以上のにぎわい復活へ高松空港が果たす役割【香川】

4月、高松-上海線の定期路線が運航を再開し、国際線4路線がコロナ禍から復活しました。コロナ禍前以上のにぎわいを…。インバウンドにかける期待と課題を考えます。

(早川祐貴記者)
「午前11時40分、春秋航空の機体が高松空港に降り立ちました。高松-上海線、運航再開です」

4月2日、高松空港と中国・上海を結ぶ定期路線が運航を再開、次々と降りてくる乗客を関係者が出迎え、香川への来県を歓迎しました。

新型コロナの影響で運休となっていた上海線。今回の再開で高松空港の国際定期路線はコロナ禍前と同じ4路線体制に戻りました。

(春秋航空 日本市場開発部 孫振誠部長)
「高松の知名度はすごく高くなっている。この度、高松-上海線が復活して、これからもっとたくさんの中国人が香川・高松を旅行すると思うので、きょう(4月2日)はすごくうれしい気持ち」

高松空港の国際定期路線を巡っては韓国・ソウル線が2022年11月に運航を再開したのを皮切りに、2023年1月に台北線が、2023年4月には香港線が定期運航を再開、コロナ禍前には年間32万人が利用した四国の玄関口に再び活気が戻ってきました。

国際線の全面再開に香川県内の観光業界からも期待の声が。

高松市の中野うどん学校高松校に続々と外国人観光客が吸い込まれていきます。この日は台湾からの団体ツアー客が訪れ、香川が誇る名物さぬきうどん作りを楽しみました。

(中野うどん学校高松校 羽藤寛幸社長)
「(外国人観光客が)やっぱり増えてきた。ついに。コロナで観光業界はダメージを受けたのでやっと戻ってきたという感じ」

それでもまだコロナ禍前の状況までは回復していないということですが、高松空港の国際線の再開で今後のインバウンド客に期待を寄せています。

(中野うどん学校高松校 羽藤寛幸社長)
「やっぱり期待している。コロナ前の水準に当社としても戻りたいし、香川県としてもたくさんのお客さんに来てもらいたい」

こうした期待にさらなる追い風が。

3月にはベトナム・ホーチミンと高松を結ぶチャーター便や台湾第2の都市、台中とのチャーター便が運航されるなど、高松空港を取り巻く情勢は活気づいています。県としても航空行政の強化を図ろうと2024年度から新たに、交流推進部の中に空港振興課を設置、ベトナムやタイなどとの定期路線開設を目指しています。

池田知事も新年度初めての会見で意気込みを示しました。

(香川県 池田豊人知事)
「インバウンドの香川県への往来についても今後加速し、早期にコロナ禍前を超えるものになるのではと見通している」

そんな中、4月12日には上海線を運航する春秋航空を傘下に持つ中国・春秋グループのワン ウェイ総裁が池田知事のもとを訪れ、香川県の魅力に太鼓判を押しました。

(春秋グループ ワン ウェイ総裁)
「小豆島や直島に行った。非常に個人まわりがしやすい町。ところどころできれいに整備されている。フリープランのお客さんがまわりやすい町」

インバウンドを巡る様々な動きが加速する今、専門家は、空港が果たすべき役割が今後ますます重要になると指摘します。

(香川大学大学院 地域マネジメント研究科 原真志教授)
「空港が拠点性を生かして、地域全体の情報を効果的に観光客に発信したり、地元の人と観光客がうまく交流するような場所になっていけばよい」

高松空港は2024年度、国際線の利用者数についてコロナ禍前を上回る年間40万人を目標に掲げています。

(高松空港 小幡義樹社長)
「空港施設が手狭になっている部分があるので、これから空港の受け入れ容量の拡大を図っていきたい。しばらくコロナで長い間中断していたので、もう1回スタートして双方向の交流が活発になれば」

ついに全面再開を果たした高松空港の国際線。コロナ禍前を超えるにぎわいづくりを目指して新たなステージにテイクオフしました。

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