福岡空港の門限に間に合わないため代わりに北九州空港に着陸するケースが相次いでいます。
北九州空港の受け入れ態勢はどうなっているのか、
そして、利用する私たちはどう行動することになるのか、取材しました。
福岡空港→北九州空港に代替着陸 その時バス会社は…
西鉄観光バス営業課・早川保洋課長「お、来たなと思いましたね」
こう振り返るのは、福岡市に本社を置く、西鉄観光バスの早川保洋さんです。
西鉄観光バス営業課・早川保洋課長
「19時半ぐらいに全日空から連絡がありまして、ダイバートする可能性が出てきましたということで」
ダイバート、とは代替着陸のこと。
その理由は、福岡空港の門限です。
福岡空港 悪天候や緊急除き早朝・深夜の離着陸認められず
浅上旺太郎
「福岡空港です。周辺に住宅があることなどから、離着陸は原則午前7時から午後10時までとなっています」
騒音対策などとして設けられている福岡空港の門限。
早朝や深夜の離着陸は、悪天候や緊急着陸などを除いて原則認められていません。
北九州空港に臨時便→5台のバスを手配→福岡空港・博多駅・天神へ
西鉄観光バスの早川さんが全日空から連絡を受けたのは先月19日。
午後7時羽田発福岡行きの269便が機材調整のため門限に間に合わなくなり欠航に。
代わりに24時間離着陸が可能な北九州空港が目的地の候補となったのです。
西鉄観光バスは去年夏頃から全日空と打ち合わせを重ね不測の事態に備えてきました。
連絡を受けた早川さんは、ただちに北九州支社で働く運転手13人や協力会社に連絡し、5台のバスを手配しました。
全日空の臨時便は日をまたいで、午前0時過ぎに北九州空港に到着。
早川さんらの対応により、乗客269人のうち希望者を博多駅や天神、福岡空港に送り届けることができました。
西鉄観光バス営業課・早川保洋課長「実際いつ来るか分からないということで突然やってきた感じがしました」「困っている状況ですので、助けるではないですけれども弊社で運行できる分に関して全力で(運転手と車を)探します」
北九州空港への代替着陸 バス・タクシー・ホテル県内126社が協力
北九州空港への代替着陸は、去年2月、門限に間に合わなかった便が羽田空港に引き返したことをきっかけに福岡県や北九州市などが検討を開始。
福岡県内にあるバスやタクシー、ホテル、126社が協力の意向を示し、それぞれの航空会社が準備を進めてきました。
日本航空はすでに5回、北九州空港に代替着陸しています。
北九州空港への代替着陸便の乗客「北九州でも飛んでくれるなら嬉しいなという対応ではありました」
北九州空港に定期便がない全日空 福岡空港スタッフが移動
しかし、全日空が北九州空港への臨時便を運航したのは先月19日が初めて。
北九州空港に定期便がないため多くのハードルがありました。
課題の一つが荷物の整理や機体整備、乗客の案内などをする地上スタッフの確保です。
共同運航しているスターフライヤーに協力を依頼する他、福岡空港のスタッフを移動させることで北九州空港行きの臨時便の運航が可能になりました。
全日空は「今後もこういう場合があれば引き続き北九州空港に代替着陸をする」と話しています。
いつ起きてもおかしくない福岡空港の門限問題。
北九州市の武内市長は、福岡空港など近隣空港との役割分担をみすえ代替着陸を積極的に受け入れていく考えです。
北九州市・武内和久市長
「北九州空港、まだまだ伸びしろが膨大にある。超えなければならない課題を一つ一つ超えて実績を積み上げていくという地道な努力が必要だと思います」