【天皇賞春/全頭診断】人気一角4歳馬に“100%”データ発動 「5.0.2.0」の想定6人気以下も波乱へ虎視眈々

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今週は京都競馬場で、第169回天皇賞・春(GI、芝3200m)が行われる。ディフェンディング・チャンピオンのジャスティンパレス不在で混戦ムードが漂う一戦。大波乱も珍しくないレース傾向ゆえ、穴馬にも気を配りたいところだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

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■天皇賞春2024 出走予定馬全頭診断

・1枠1番 サリエラ

前走ダイヤモンドSは2着と、未知の距離にも対応。ここも人気上位が予想されるが、当時の勝ち馬テーオーロイヤルとは3キロの斤量差があった。今回は2キロ差に縮まるうえ、2度の馬券外はいずれも直線平坦コース。枠なりに最高の競馬をした際の3着候補までとして捉えたい。

・1枠2番 ヒンドゥタイムズ

重賞での馬券内は直線の短い小回りコースに限定。ここは条件不適と言わざるを得ない。

・2枠3番 プリュムドール

斤量55キロ以上では【0.0.0.3】と不振が目立つ馬。個人的には夏の北海道シリーズで狙いたい1頭だ。

・2枠4番 ワープスピード

長距離戦では大崩れなく走っているものの、前走は立ち回りの上手さで2着争いを制した印象を受けた。叩き3戦目の成績【0.0.1.3】を見るより、使い込むとパフォーマンスを落とす傾向がうかがえる点も気がかり。上位進出へのハードルは高いか。

・3枠5番 ブローザホーン

長距離で頭角を現してきた5歳馬。近2走は重賞でも大崩れなく走っており、今回もある程度の支持を得る可能性が高いだろう。とはいえ全6勝中5勝が時計のかかる冬の京都or道悪。適性に偏りがある点は気がかりで、取捨選択は週末の天候次第か。

・3枠6番 ディープボンド

勝ち馬と1秒以上離される競馬が続く近走。さすがに7歳を迎えてピークアウト気味の印象は否めず、コース実績を踏まえても変わり身は望み薄か。

・4枠7番 タスティエーラ

1番人気に推された前走大阪杯はまさかの惨敗。高速馬場など敗因はさまざまだが、不可解すぎて判断のしようがない、というのが正直な心境だ。とはいえ三冠すべてで連対をはたした馬でもあり、鞍上のJ.モレイラは今年のJRA重賞で【3.1.0.0】。中心視は躊躇するがノーマークにもできない。

・4枠8番 ゴールドプリンセス

芝2400m超では馬券外なしと高い長距離適性を誇るが、前走は斤量53キロと道悪の恩恵があった印象。GIで即通用は難しい注文と言えそうだ。

・5枠9番 シルヴァーソニック

昨年の天皇賞・春以来の実戦となった前走阪神大賞典。久々だったとはいえ、あまりにも見せ場なく大敗を喫した点は気がかりだ。リピーターの好走が目立つレースとはいえ、一変を望むのは酷に映る。

・5枠10番 サヴォーナ

この馬で強調したいのは2走前の日経新春杯。1000m通過58秒3のハイペースを4番手で追走し、渋太く2着に粘っており豊富なスタミナを証明してみせた。直線非急坂コースは【2.1.1.1】、馬券外は強引なマクリで失速した菊花賞5着に限定。見限るには早計だ。

・6枠11番 マテンロウレオ

アッと驚く大逃げを披露した前走日経賞は勝ち馬と0秒2差。新味をみせた点は評価できるが、1年以上にわたり馬券内から遠ざかる現状にあるのも事実だ。前走先着を許した馬は3勝クラスから参戦した馬と7歳以上の高齢馬。当時のレースレベルも含め、前進を望むのは酷な印象だ。

・6枠12番 ドゥレッツァ

5連勝で菊花賞を制した馬。夏を越して3歳トップグループを制圧したポテンシャルは疑いようがなく、前走金鯱賞も開幕週の高速馬場で自身の持ち時計を更新なら上々のステップレースと言えそうだ。1986年以降、京都開催の天皇賞・春において前年に菊花賞を制した関東馬は【3.0.1.0】。ゴールデンウィーク時期を見越して早めに栗東滞在を選択した陣営の判断も含め、死角らしい死角は見当たらない。

・7枠13番 スカーフェイス

リステッド競走でも馬券外が続く現状。厳しい。

・7枠14番 テーオーロイヤル

ステイヤーズS→ダイヤモンドS→阪神大賞典と3000m超の重賞で連続好走。長い距離への適性は現役トップクラスと言って差し支えないだろう。ここは絶好の舞台と言いたいところだが、3000m超を連戦したことによる見えない疲れは気になってしまう。京都開催の本レース勝ち馬はフィエールマン、レインボーライン、キタサンブラックなど中距離芝重賞でも好走できる資質を持った馬が多く、勝ち切るゾーンに置くにはやや心もとない印象だ。

・7枠15番 メイショウブレゲ

斤量58キロでは【0.0.0.4】と斤量に敏感な印象。一変を望むのは酷に映る。

・8枠16番 チャックネイト

一昨年の夏以降、馬券外がない安定株。ジャスタウェイやシュヴァルグラン、ヒシイグアスらと同じようにハーツクライ牡馬の覚醒パターンに入ったとの捉え方もできそうだ。中2カ月以上の休み明けは【5.0.2.0】馬券内率100%。外枠を引いてしまったものの、内からロスなく運べる展開が叶えば妙味は十分だ。

・8枠17番 スマートファントム

近2走は道悪で時計のかかる馬場が向いた印象あり。テンにいけない脚質も含め、GIの舞台での強調材料は乏しい。

・8枠18番 ハピ

初芝の前走は9着も、直線半ばで進路が塞がる不利があった。芝GIでの馬券内は厳しいと思われるが、いずれ芝路線で好走をはたすタイミングは来るはずだ。リステッド競走やハンデ重賞替わりで見直したい。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年4月25日 18:02公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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