桜の名所目黒川で大量のコハダの死骸 水質検査も異常なし…満潮で川に入り込み酸欠か?専門家分析

4月上旬、満開の桜と大勢の花見客でにぎわった東京・目黒川では、夜桜のライトアップをはじめ、川沿いでは、多くのイベントが行われた。それから数週間、その目黒川で目撃されたのが大量の魚の死骸だ。

22日に撮影された写真には、散った桜とともに大量の魚の死骸が水面に浮かんでいた。

東海大学海洋学部の山田吉彦教授は、「この写真の魚は“コノシロ”です。なじみがあるのは“コハダ”(出世魚)」と話す。目黒川で大量に見つかったのは、寿司ネタとして人気のコハダだ。

24日に「イット!」取材班が撮影された現場に行ってみると、まだ魚の死骸があり、1匹だけではなく、複数匹の死骸があった。さらに下流へ向かってみると、そこにも魚の死骸があった。

SNSへの投稿などによると、4月19日ごろから目黒川のさまざまな場所で目撃されていて、地元の住民は「こんなに見たのは初めて。有毒なものが流れているのではというのが一番怖い」と話す。

品川区は、死骸の一部を回収し水質調査を実施したが、異常はなかったという。

長く住む住民も「初めて」と話す光景。
専門家は、ある可能性を指摘した。

東海大学 海洋学部・山田吉彦教授「目黒川の河口あたりにだいぶ集まっていたところが、潮の満潮に押されるような形で、川の中に入り込んできたんだと思います。有機物が入ってくることで、プランクトンも大量に発生をしていて、酸素を使っている生物がかなり多くなっていますので、川の中の酸素が足りなくなっていたということが考えられます」

魚の死骸はまだ残っていて、住民の困惑が続いている。

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