島根原発で作業員がコンクリートの下敷きになり死亡した事故 現場責任者と協力会社 書類送検

島根県松江市にある島根原子力発電所で、去年12月、落下したコンクリートの塊の下敷きとなって、男性作業員が死亡した事故について、松江警察署は、現場責任者の松江市の会社員の男(36)を、業務上過失致死の疑いで、松江地方検察庁に書類送検しました。

また、松江労働基準監督署も、この現場責任者の男と、その男が勤める福岡県春日市の土木工事業者を、物体の落下による危険防止措置を講じなかったとして、労働安全衛生法違反の疑いで、書類送検しました。

この事故は、去年12月21日午後2時30分ごろ、島根原発2号機の建屋南側の地下で土砂を掘削する作業中、落下した、奥行約3.1メートル、幅約1.4メートル、厚さ約15センチのコンクリートの塊の下敷きになり、松江市の60代の男性が、両側外傷性血気胸で亡くなっています。

松江労働基準監督署は、亡くなった男性の頭上には、建物の基礎工事をする前に打設されたコンクリートがあったが、構造上建物の梁にボルト等で固定されてなく、コンクリートが落下するおそれがあったにもかかわらず、坊網を設け、立入区域を設定する等の危険防止措置が講じなかった疑いがあるとしています。

現場責任者の男は、容疑を認めているということです。

これを受け、中国電力は、「改めて、お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、地域の皆様をはじめ、多くの皆様にご心配をお掛けしたことをお詫び申しあげる。当社としては、再発防止策の実施状況を継続的に確認するとともに、他の協力会社へも水平展開を行うことで、類似災害の未然防止に努めていく」とコメントしています。

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