東郷町の井俣憲治町長の職員へのハラスメント問題で、町長は4月25日、辞職の意向を示しました。問題発覚から5か月経っての決断、その理由は。
東郷町 井俣憲治町長：
「私自身、辞職をするという決断を固めた」
町議会議員らの前で淡々とした表情で辞意を示した東郷町の井俣憲治町長。4月24日、辞職願を議長に提出しました。井俣町長をめぐっては、職員に対するハラスメント発言が問題となっていました。
疑惑が浮上したのは、2023年11月。
東郷町 井俣憲治町長：
「1個でもできとるか、ドアホ」
「アホかお前ら、できとらん」
「ばかじゃね？ 本当にばかじゃねえ？」
この音声のほかにも、町長のハラスメント発言の場に居合わせた町職員関係者は…
パワハラを目撃した男性：
「町長が発した言葉が『お前何しに来とるんだ』とか『最上級のあんぽんたんやろう』とか、あまりにひどい言葉を投げつけている」
繰り返されてきた井俣町長によるハラスメント行為。発覚後の記者会見では…
東郷町 井俣憲治町長：
「改善を促すという意味で発してしまった」
発言を認めたもののパワハラやセクハラの意図はなかったと釈明。自身の進退は弁護士で構成する第三者委員会の結論を踏まえて判断するとしていました。
そして4月22日。第三者委員会が公表した調査報告書には、ハラスメント発言の数々が。
パワハラとして認定された発言は「死ね」「頭が悪いな」「バカなの？」「三流大学出身」「ポンコツ1号・ポンコツ2号」「辞めたら？」「転職したら？」「（部外者がいる前で）担当から外れろ」「草刈りくらいならできるだろう」
さらに、セクハラに該当したものの中には「いつ、巨乳になって帰ってくるの」「子どもをつくれ」といった発言や、着ぐるみの中に女性職員が入っていることを認識しつつ抱きついた行為などもセクハラと認定されました。
第三者委員会の会見：
「町政に悪影響を生んでいたと言っても過言ではない」
第三者委員会がハラスメント行為と認定したことについて会見では…
東郷町 井俣憲治町長：
「すべてに対して理解・納得しているわけではないが、それも含めて自分の中で、今後の言動・発言の指針となるもの。役場の中で大変重要なテキストになる」
納得がいかない部分もある中、辞職を決めた理由は…
東郷町 井俣憲治町長：
「今の東郷町の評価のされ方、皆さまのレンズを通りこした中での評価が本意ではないので、事態の沈静化」
辞職は5月2日付。今後支給される退職金の扱いについて聞かれると…
東郷町 井俣憲治町長：
「何も考えていない。自分のことは何も考えていない」
次の町長選挙への出馬意欲については…
東郷町 井俣憲治町長：
「すべての可能性をいまの段階で排除することは考えていない。（不出馬は）100ではない。肯定しない」
井俣町長が辞意を表明したことについて、町民は…
東郷町町民：
「（辞めるのが）ちょっと遅いくらい。すぐに辞めてもらわなかったといけなかった。待っていたんだ、あの人は。給料をもらってボーナスももらう」
東郷町町民：
「うちの息子が東京に行っている。東京でも（ニュースが）流れていたということで、“俺、愛知県の東郷町出身”と言えなくなったと言っていた」
東郷町町民：
「東郷町のイメージダウン。他の（地域の）方からも言われたり、東郷町民として恥ずかしい」
