「新しい通訳が素晴らしいから」大谷翔平の超一流“快答”に相棒が照れ笑い。ド軍同僚らに感謝する姿に米注視

感情を表に出さず、完璧で丁寧な回答が脚光を浴びている。

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が現地4月24日、敵地でのワシントン・ナショナルズ戦に「2番・指名打者」で先発出場。3本の二塁打を放つなど、6打数3安打2打点の大活躍で今季4度目となる猛打賞をマーク。両リーグトップとなる打率.371に上げ、14二塁打もメジャー全体1位をキープ。偉才の打棒爆発でチームは驚異の20安打11得点で大勝を収めた。

チームの3連勝に大きく貢献した大谷。試合後の囲み取材は和やかな空気のまま、終盤に差し掛かったところだった。突然、現地記者から「この数週間、通訳が新しく変わったことで、何か感じることがありますか?」との質問が飛んだ。シーズン開幕直後に違法賭博スキャンダルを起こし、球団から即刻解雇された元通訳の水原一平氏(のちに銀行詐欺容疑で同氏は訴追)を指していることは明白。現場は一気に緊張感が走り、大谷の現通訳を務めるウィル・アイアトン氏も表情をこわばせながら質問を日本語に訳して大谷に伝えた。

すると大谷は表情を一切変えず、「新しい通訳が素晴らしいからじゃないですか」と答え、同通訳の手腕を大絶賛。自然に切り返した答えにアイアトン氏は照れた表情を見せながら、それを英訳。現場は笑い声が上がり、場の空気をガラリ一変。再び和やかな雰囲気へと変えた。

そのあと続けて別の記者が、「信頼できる親友がいなくなったことで、感情的に何か感じることはあったのか?」と問われた時には、「まだ調査自体は続いているので、全部が終わったわけではないですし。失った…それ以上にチームメイトもそうですし、その件で支えてもらってサポートしてくれる人たちがたくさんいるので。むしろ、そっちの方がありがたいと感じる場面が多いです」と語り、親友の喪失感よりもドジャース関係者、レギュラーシーズンを一緒に戦ってくれるチームメイトへの感謝を口にした。
この一流の立ち居振る舞いは米メディアでも話題になっている。米スポーツメディア『The Athletic』のアンディ・マッカラー氏は、大谷の受け答えに注目。現在のパートナーと築いている良好な信頼関係について綴っている。

「イッペイ・ミズハラからの裏切りがどのような影響を及ぼしているかを直接尋ねられると、彼は自分の考え方を少しだけ明らかにした。オオタニは、ミズハラがいなくなって自分の人生がどう変わったかという別の質問をかわした。『新しい通訳は、かなり優秀だ』と彼はアイアトンを通じて言うと、現通訳は答えながら照れ笑いを浮かべた」

韓国での開幕2戦目から、大谷の専属通訳を担っているアイアトン氏。聞き取りやすい綺麗な声と、的確な通訳は現場でも評判は高く、大谷を縁の下からサポートしている。

日本人スターの好調な打棒はチームメイト同様、同氏の影響も少なからず影響しているのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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