北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のADASも

Kevin Krolicki Zoey Zhang Sarah Wu Qiaoyi Li

[北京 25日 ロイター] - 中国最大の自動車展示会である「北京モーターショー」が25日、開幕した。

大手メーカー各社が最新の電気自動車(EV)を展示するなど、会場は新エネルギー車(NEV)一色。蔚来汽車(NIO)の創業者、李斌氏は「北京モーターショーでは、もう誰もガソリン車には興味がない」と語った。

主催者によると、今回のモーターショーでは117の新モデルが発表される予定。昨年の上海モーターショーでは93モデルだった。全体では昨年より7モデル多い278モデルのNEVが展示される。会期は来月初めまで。

会場ではEV世界最大手の比亜迪(BYD)やスマートフォン大手の小米(シャオミ)など国内メーカーのブースに人だかりができた。

会見したシャオミの雷軍・最高経営責任者(CEO)は同社初のEV「SU7」について、返金不可の受注台数が7万5723台に達したと表明。BMWやアウディのオーナーからも注文が入っていることを明らかにした。

BYDは格安なイメージを払拭するため、高級ブランド「仰望」「デンツァ」を積極的にアピール。ハッチバック「OCEAN-M」も公開した。価格は15万─20万元(2万0699─2万7598ドル)。

劣勢の海外勢も中国への投資拡大を表明。日産自動車は中国市場向けのコンセプトカーを4車種、マツダも中国市場向けの新型2車種を公開した。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は初めて従来型のエンジン車の展示を見送った。独メルセデス・ベンツもEVの新型モデルを公開した。

米テスラは今回も出展を見送った。同社が最後に中国のモーターショーに出展した2021年には、テスラ車の上に女性が登り、ブレーキが効かないと抗議する一幕があった。

欧米では中国の過剰生産能力に対する懸念が浮上しているが、一部の中国メーカーは海外展開の計画を説明。

長城汽車の穆峰総裁は「中国の自動車産業はグローバル化という新たな時代に突入しており、中国国内ブランドの力は強まっている。中国車が世界の舞台に上ることが新たな潮流になっている」と述べた。

<国内設計のADASをアピール>

中国国内で設計した先進運転支援システム(ADAS)もセールスポイントになっている。

賽力斯集団(セレス・グループ)や広州汽車集団など複数のメーカーは、華為技術(ファーウェイ)から供給を受けたシステムをアピール。

広州汽車はファーウェイのADASを搭載した主力モデルを来年1月に発売すると発表した。ファーウェイはADAS分野で国有自動車メーカー7社と提携している。

一方、BYDや小鵬汽車(シャオペン)は社内で開発した機能を売り込んだ。

BYDは自社開発のADASを搭載した大衆向けの「王朝」シリーズと「海洋」シリーズの改良モデル2車種を第2・四半期に発売すると発表。小鵬汽車もライバルを引き離すために「超高速」ペースで継続的にソフトウエアをアップグレードすると述べた。

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