犬に危険な『春の野草』5選 食べてしまったときに起こる症状や誤食を防ぐ方法まで

犬に危険な「春の野草」とは

気候が暖かくなり、愛犬と一緒にお散歩がしたくなる春の季節。季節の花を楽しみに、犬を連れて公園や山にお出かけする人も多いでしょう。

しかし、野道には、犬が食べてしまうと危険な「春の野草」が生えていることがあります。

そこで今回は、犬に危険な「春の野草」について解説します。愛犬を守るために、頭にいれておきましょう。

1.ワラビ

「ワラビ」は、私たち人間にとっては人気の高い食用の春の野草ですが、犬にとってはかなり危険な成分を持つので絶対に与えてはいけません。

犬がワラビ食べてしまうと、「貧血」「不整脈」「血尿」などの症状があらわれます。

大量に口にすると犬が死んでしまう危険性もあるため、もし愛犬がワラビを食べてしまったら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

2.ウマノアシガタ

「ウマノアシガタ」とは、春に黄色い花を咲かせる野草です。「コミヤマキンポウゲ」という別名で呼ばれることもあります。

見た目は可憐で美しい植物ですが、犬が口にすると「ラヌンクリン」という成分によって以下のような症状があらわれます。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 麻痺
  • 黄疸
  • けいれん

最悪の場合は犬が死んでしまうほどの強い毒性がありますので、愛犬が口にした可能性があれば、一刻も早く動物病院で診察を受けましょう。

3.フクジュソウ

春の訪れを知らせるフクジュソウも、「アドニン」や「シマリン」といった毒性成分が含まれています。

そのため、犬がうっかり食べてしまうと、「下痢」「嘔吐」「呼吸困難」「心臓麻痺」などの症状があらわれます。

フクジュソウは花から根まで全ての部分に有毒な成分が含まれているので、絶対に犬に食べさせないようにしましょう。

4.スミレ

スミレは花には有害な成分はなく、少量であれば食べても問題がありませんが、根や種には犬に悪影響を及ぼす「ビオリン」が含まれているので注意してください。もし犬が口にすると、神経症状や心臓麻痺などが起きる可能性があります。

同じスミレ科のパンジーやビオラといった花も、同様に注意が必要です。

5.ノビル

ノビルは、ニラやネギに似た見た目の植物です。多年草ですが、特に4月~6月には旬の野草として楽しむ人も多くいます。

しかし、ノビルはネギの仲間に分類されるため、犬に与えるのは絶対にNGです。もし犬が食べると、ネギを食べた時と同じく以下のような症状が起き、命に係わる危険性があります。

  • 貧血
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 血尿
  • 急性腎不全

ノビルは犬の散歩コースになりやすい土手や河原などの身近な場所にも自生しているため、注意しましょう。

犬に危険な「春の野草」の誤食を防ぐ方法

犬が危険な「春の野草」を誤食するのを防ぐためには、次のことを意識しましょう。

  • 屋外では必ずリードをつける
  • 犬を草むらに近づけない
  • 犬から目を離さない
  • 「ちょうだい」や「離せ」の練習をしておく

散歩の時にリードをつけるのは当然のことですが、野草の誤食を防ぐためには犬から目を離さず、草むらに近づけさせないことが大切です。

万が一、犬が野草を口にしてしまった時には、「ちょうだい」「離せ」などのコマンドで口から出すように指示を出せば飲み込むことを防ぐことができます。日頃から、飼い主の指示で犬が口に咥えた物を離す練習をしておくようにしましょう。

まとめ

春の野草は種類がとても多く、見た目だけで毒があるか判断することはかなり困難です。

そのため、愛犬には知らない野草を食べさせないように、飼い主が気をつけるようにしましょう。

今回解説したように、有害な野草には犬の命を奪う危険性が高いものも多いので、もしも愛犬が野草を口にしてしまったら、速やかに獣医師に相談するようにしてください。

(獣医師監修:寺脇寛子)

※動画・画像がうまく表示されない場合は「わんちゃんホンポ」サイトにてご覧ください。

© 株式会社ピーネストジャパン