「自然を甘く見ないで」天候確認や計画書提出を 昨年度5人死亡の那須連山、那須塩原署などが登山客に注意喚起

山麓駅を訪れた人にチラシを配る署員

 【那須】昨年度5人が亡くなった那須連山で本格的な登山シーズンを迎えるのを前に、那須塩原署9人と那須山岳救助隊2人は25日、湯本の那須ロープウェイ山麓駅で登山客にチラシを配って注意を呼びかけた。

 この日は登山計画書の提出や入念な事前準備を促すチラシを用意。登山客などに「山頂駅付近は風が強く気温も下がるので気をつけて」などと声をかけながら配った。

 その後、同署山岳警備隊の5人は那須岳に登り、山岳パトロールも実施。登山道に設置されている目印のロープや危険箇所のチェックをし、登山客らが安全に楽しめるように整備して回った。

 同署金子和宏(かねこかずひろ)地域管理官兼交通管理官(45)は「ロープウエーがあることから軽装で訪れる人も多い。自然を甘く見ることなく、登山をする際は天候を確認するなど準備をしてほしい」と呼びかけた。

 那須連山では昨年10月に男女4人が朝日岳登山道付近で遭難し、全員が低体温症で死亡した。昨年度、同署管内で同署山岳警備隊が出動したのは18件。多くは登山中にけがをした人や天候の急転で身動きが取れなくなった人からの通報だったという。

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