男鹿半島での大地震想定し防災・減災対策を議論 能登半島地震を教訓に、実務者委員会が初会合 秋田

能登半島地震からまもなく4カ月がたつ。「地理的な条件が似ている」と指摘される秋田県の男鹿半島で地震が起きた場合に、災害を防いだり減らしたりする方法を話し合う会議が立ちあげられ、25日に実務者の初会合が開かれた。

秋田大学・水田敏彦教授:
「男鹿半島は3方が海に囲まれている半島地形。同じような地震が発生すると恐らく能登半島地震と同じような震災になるのではと予想される」

能登半島地震を受けて2024年度新たに組織された「防災・減災会議」は、男鹿半島や山間部が多い鹿角地域で地震が発生した場合の防災・減災対策について協議する。

25日は、実務者が集まる検討委員会の初めての会合が秋田県庁で開かれ、学識経験者や行政、関係団体の担当者約60人が出席した。

能登半島地震では、半島に向かう幹線道路など多くの道路が寸断された。これにより、被害状況の把握や支援物資の搬入の遅れが出たと指摘されている。

これを受け、検討案が示された。案には3つのテーマが掲げられている。

1つ目は「リスク設定」で、通行できなくなる可能性が高い道路の洗い出し。2つ目は「応急対策」で、避難や支援物資の経路の確保や支援の受け入れ態勢の整備。3つ目は「被災者支援」だ。

男鹿市の調べによると、市内で孤立する可能性があるのは、北浦や加茂青砂など12集落の1450人。

出席者からは「海路や空路の速やかな確保が重要」「住民の自助・共助の意識も大切」などの意見が出された。

男鹿市の担当者:
「地域の自主防災組織の高齢化などで、活動能力の低下もみられる。共助はもとより、高齢者が普段から自力で避難できるような施策を行っていかなければならない」

日本赤十字社の担当者:
「能登半島地震では、段ボールベッドの導入に避難所の住民から反対があった。占有スペースが狭くなるからと。感染症の問題や衛生環境の悪さから健康を害する。備蓄とともに、自助・共助の考えの中で普及啓発も必要」

秋田大学・水田敏彦教授:
「非常に重要なのは事前の防災対策。住民の意識を高くして、少しでも被害に遭わないということが非常に大事。防災教育的な内容も含まれていくと考えている」

会議は、年度内に報告書をまとめる予定。

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