台湾レトロテーブルゲームの図鑑刊行 ゲーマー赤野工作が翻訳

台湾テーブルゲームの発展史を捉えた書籍『台湾老卓遊 台湾レトロテーブルゲーム図鑑』が、志学社より5月27日(月)に刊行される。

清朝末期・日本統治時代から中華民国期に至るまで、100種類を超えるゲームを600点を超えるフルカラー図版とともに紹介。

台湾近現代史の一側面が、レトロゲームを通じて浮かび上がる内容となっている。

台湾レトロゲームの専門家による図鑑『台湾老卓遊』

『台湾老卓遊 台湾レトロテーブルゲーム図鑑』は陳介宇(チンカイウ)さんと陳芝婷(チンシテイ)さんによって、『図解台湾老桌遊』と題して2021年7月に刊行された書籍の日本語訳。

陳介宇さんは、幼い頃から台湾のレトロテーブルゲームやTRPGに親しみ、中学時代には『Magic:The Gathering』に熱中する。大学入学後は海外のアナログゲームに触れ、それらを紹介するように。

2008年に台湾のレトロテーブルゲームを紹介するブログを開設し、2010年には文化審議会の台湾百科事典に専門家としてレトロテーブルゲームに関する記事を執筆。

研究者としても、テーブルゲームの教育への応用を台湾で初めて提唱している。

一方の陳芝婷さんは、幼少期にはチェス、ブリッジ、麻雀を、大学時代にはヨーロッパのボードゲームなど、約20年の間に1,000種以上をプレイ。

夫である陳介宇さんのアメリカ留学に同行。台中教育大学幼児教育研究所にて修士号を取得し、現在はコラムの執筆などもおこなっている。

生粋のゲーマー・赤野工作が翻訳を担当

翻訳を担当した赤野工作さんは2017年、カクヨムに連載していた架空のゲームレビューの体裁をとる小説『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』で小説家デビュー。

『ユリイカ』『SFマガジン』などにも小説を寄稿するほか、共著『ゲーマーが本気で薦めるインディーゲーム200選』を執筆。

KAI-YOU Premiumでも、中国で20年以上にもわたって出回り続けた「海賊版ポケモンカード」の歴史を辿るコラムを執筆している。

今回の書籍は、赤野工作さんにとって初の翻訳書となる。

なお赤野工作さんは印税の半額を、志学社も初回出荷金額の1%を、4月3日に発生した台湾東部沖地震の被害の支援のために寄付すると発表している(外部リンク)。

© 株式会社カイユウ