「キスじゃなくて顔近づけて話を…」セクハラ町長2人が相次ぎ辞職 会見で反省の弁と“釈明”…報道への恨み節も

第三者委員会による“セクハラ”や“パワハラ”の認定を受けて4月25日、2人の町長が辞職願を提出した。それぞれ反省の弁を述べたが…。

岐阜・池田町 岡崎和夫町長:
キスしよう(とした)じゃなしに、顔を近づけて話をしたということです。抱きついたんじゃない、両腕をこうやって(抑えるような動き)やったんです。

岐阜・池田町の町長は“セクハラ”行為の一部について、身振り手振りで報告書との認識の違いを訴える。そして愛知・東郷町の町長は…

愛知・東郷町 井俣憲治町長:
具体的に言うと、誰のどの事案か分かってしまいますけども、お話した方が良いですか?それハラスメントですよ!

どこか他人ごとのようにも。2人の釈明の様子に注目した。

岐阜・池田町の町長は謝罪

公表された報告書で約20年間にわたり、延べ15人への“セクハラ”が認定されたのは、岐阜・池田町の岡崎和夫町長。

調査報告書では「背後からお尻を下からなでるように触られた」「『あんたはええな 痩せとるで』と軽い感じで言われた」といった、言動や行動が告発されている。

25日の会見では、少なくとも5回頭を下げて謝罪。「はっきり思い出すことはできませんけど、そばへ腰かけ、おいおいワイワイというなかでの延長線上でなってしまったと」と話した。

家族からはこう言われたという。

岡崎和夫町長:
「あんたは裸の王様や」ということは、はっきり言われました。

愛知・東郷町の町長は“恨み節”

一方、“セクハラ”や“パワハラ”などの行為が第三者委員会により認定された、愛知・東郷町の井俣町長。

病気の手術を控えた職員に、「お前死んだら香典いくらぐらい?」「お前保険入っとるんか」といった発言をしたことが、実際の音声データとして残っている。

それに加え、「飛ばすぞ 辞めたら?」「いつ降格してくれるの?」といった、町長の立場を悪用した発言もしたとされる。
報告書では町の関係者582人のうち、実に108人が「町長からセクハラやパワハラなどを受けた」と回答していた。

25日の会見では、パワハラやセクハラが認定されたことについて「正直…報道の皆さまの状況を拝見していると言いたいというところもありますが、飲み込むべきだと」とコメント。
ハラスメントが日常化していたのではという質問に対しては、こう答えた。

愛知・東郷町 井俣憲治町長:
幹部約40人、うち90%以上が小中高の同窓で、そこに私自身に甘えがあったというところは、深く反省しているところです。

「見聞きしなくて済む」職員は安堵

そして、具体的なハラスメントについて聞かれると…

愛知・東郷町 井俣憲治町長:
具体的に言うと、誰のどの事案か分かってしまいますけども、お話した方が良いですか?それハラスメントですよ!

井俣町長の辞意表明に、町の職員からは…

東郷町の職員:
率直な感想は安堵したっていうところ。他人をやゆされたり、けなされる発言が多い方ではありましたので。そういったものを見聞きしなくて済むんだと。

なぜ、町長ら自治体トップのハラスメントが相次ぐのか。ハラスメント対策専門家の山藤裕子さんは「偉くなってしまって、町長になって。自分はこれくらいやっても大丈夫、これくらいなら相手は受け入れてくれると思った大きな勘違い」と指摘した。
(「イット!」4月25日放送より)

© FNNプライムオンライン