Aプレミアム、過去最多1万6091個 飲食店の需要回復/23年度、青森県

Aプレミアムの利用実績

 青森県がヤマト運輸と連携して取り組む県産農林水産物の物流サービス「A!Premium(エープレミアム)」の2023年度の利用実績は1万6091個(前年度比83%増)で、過去最多だったことが24日、県のまとめで分かった。関連取引を含めると2万3875個(33%増)となり、15年度の開始以来、初めて2万個の大台を突破した。大手回転ずしチェーンとの取引やコロナ禍に苦しんだ飲食店の需要回復で取扱量が大幅に増えた。

 Aプレミアムは鮮度を保ったまま県産品を国内外に輸送する仕組み。ホタテやホッキガイなど水産品を中心に活用され、中部や関西、九州、沖縄まで翌日中に輸送できるのを強みとする。ただ、近年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う航空路線の運休で、輸送手段を陸路に切り替えざるを得ず、関西以西への配達に2日かかっていた。

 過去最多の更新は2年連続。23年度の利用実績は品目別で水産品が前年度比1.9倍の1万5394個と全体の96%を占めた。大手回転ずしチェーンが6~7月に県産ホタテフェアで利用したほか、取引のある関西の飲食店で需要が伸びるなど、国内の取り扱いが好調だった。

 県産品販売・輸出促進課の中村義人課長は「新鮮で高品質な品物を届けたいという関係者の思いが実績につながった。利用拡大や知名度向上に取り組み、生産者の所得向上につなげたい」と強調する。

 本年度はさらに需要を掘り起こすため、関西以西への翌日配達の復活に向けて、小型航空機を使った輸送の検証などに取り組む。ヤマト運輸の新たな輸送スキームを活用し、品質保持が可能かなどを調べる方針で、25年4月の実運用を見据える。

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