ソフトバンク栗原陵矢「そう見えます?僕もそう思います」 復調に手応えを感じているからこその明確な自己分析

5回2死一塁、左中間適時二塁打を放つ栗原(撮影・冨永豊)

◆ロッテ0―6ソフトバンク(25日、ZOZOマリン)

誰しもそうだが、結果を伴った働きが続けば表情も自然と柔らかくなる。それがどん底からの脱却となると、なおさらだ。だから、ここ最近の栗原はすごく野球を楽しんでいるように見える。

プロ野球選手に「楽しんでいる」という言葉は不適切かもしれないが、そう見えるのだからお許し願いたい。その事実を栗原に伝えると「そう見えます?僕もそう思います」とニコッとされた。

昨季は開幕を4番で迎えた実力の持ち主だが、今季はスタートからつまずいた。開幕13試合目までの打率は9分1厘。目も当てられない状況にふさぎ込んだような日が続いたが、人一倍責任感のい強い男だけに無理もないかと思っていた。

しかし、ひとたび打ち出すと一気に上昇カーブを描くのだから、やはり頼もしい存在だ。今季初のマルチ安打を記録した開幕14試合目以降は、この日も含め打率3割7分1厘(35打数13安打)。5回には中押しの5点目となる適時打も放った。

「状態が悪い時は打ちたい気持ちが強過ぎて、全部の球を追いかけていた。いまはそれがなくなった。いい傾向です」

明確に自己分析ができるのも、復調に手応えを感じ取っているからだ。「早く打ちたい」と待望するいまだ0本の本塁打も、柳田、山川、近藤と好調の主軸に引っ張られるように出るだろう。時間の問題な気がする。(石田泰隆)

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