鹿児島から国内外に展開 九州・沖縄エリア就職人気ランキング4位の西原商会 人気の秘密を探る

大手就職情報サイト、マイナビが発表した2025年卒業予定の大学生の人気企業ランキングです。九州・沖縄エリアの上位10社は福岡の企業がほとんどを占める中、福岡以外では唯一、鹿児島の業務用食品卸会社・西原商会が前回の10位から順位を上げ、4位にランクインしています。

人気の理由はどこにあるのでしょうか。西原商会の若手社員に就職先として選んだ理由を聞くとともに専門家に人気企業のトレンドについて尋ねました。坪内キャスターの取材です。

街でよく見かける白と黄緑のトラック。業務用食品卸会社、西原商会です。本社ビルは鹿児島市与次郎にあり、鹿児島県民にとってはなじみが深いと思いますが、実は全国に60カ所、海外に6拠点を展開し、2200人あまりの従業員を抱える全国規模の会社です。

その西原商会が今回、学生の就職先人気ランキング九州・沖縄エリアで4位にランクインしました。と言っても実はここ数年、西原商会は常に九州・沖縄エリアのトップ10に入る、学生に人気の企業なんです。

2024年も約1200人から新卒の新入社員90人が選ばれたといいます。

出身エリア別に見てみると関東14人、東海11人、関西18人、お膝元の九州で19人など、全国各地から人材が集まってきていることが分かります。

では人気の秘密はどこにあるのか? 若手社員に聞いてみました。

岡山県出身で大学は広島だったという新入社員の和田優作さん。鹿児島支店に配属されました。入社して1カ月足らず、先輩に指導を受けながら営業・配送の業務を勉強中です。西原商会は学生時代からトラックを見ていたと言います。

新入社員・和田優作さん
「大学時代アルバイト中にトラックを見かけていて、(就職)説明会のあと、改めて認識しました」

その上で西原商会を受験した理由をこう話してくれました。

「国内だけでなく海外にも展開している支店があったり、営業だけでなく、配送も一人で手がける強みがあると思います」

西原商会によりますと、現在多くの会社では営業と配送は別の部署や会社が行うのが一般的ということですが、西原商会では配送と同時に営業活動を行う二刀流のスタイルが特徴だということです。

入社2年目の重信誠人さん。鹿児島出身で福岡の大学を卒業しました。西原商会を受験した理由は?

入社2年目・重信誠人さん
「大学時代、飲食のアルバイト中に出会った西原商会の営業マンがすごくいい人で、そこで憧れを持ちました」

全国規模、営業スタイル、アルバイト中の出会いと、若手社員が受験した理由は様々ですが、大手就職情報サイト、マイナビは、元々商社の人気が根強い部分に加え、現在、食品業界自体の人気が高まっていると分析します。

マイナビキャリアリサーチラボ研究員・長谷川洋介さん
「バブル期は大手メガバンク、航空、旅行業界など華やかなイメージの業界が非常に人気だったが、その後バブルがはじけた後の就職氷河期、それ以降の年代になると食品業界の人気が出てきた。テレビCMや店頭に並んでいる商品を通じて学生であっても親しみやすい業種といえる」

こうした背景もある中、西原商会の人事担当者は今回の就職先人気ランキングの結果が、今後の採用活動につながると期待しています。

西原商会人事部 早崎清史係長
「今回のランキングについてはすごくうれしい。新卒採用にも影響が出てくると嬉しいです」

その上で、会社説明会やインターンなどの採用活動を通して、引き続き、社の雰囲気を学生に伝えていくことを大切にしたいと話します。

西原商会人事部 早崎清史係長
「社員が普段どおりにやっているところが映って、見てもらえている部分になると思います。素の西原商会を知ってもらえていると思います」

様々な業種で人手不足が叫ばれる中、いかに多くの学生に受験してもらえるか。あらゆる企業にとって採用活動の重要性はこれからも高まっていくといえそうです。

今回インタビューを受けてくれた若手社員にとっては、身近に感じていたことが受験につながったということでした。学生にとって身近な存在であるということが人気の秘密なのかもしれません。

© 鹿児島テレビ放送