福祉施設運営の鹿児島県議らに告発状 高齢者に処方箋なくイベルメクチン投与、元職員6人「医師法違反疑い。事実を明らかに」 指宿

小園成美県議が運営する高齢者福祉施設=指宿市

 鹿児島県議会の小園成美議員(自民・指宿市区)が運営する同市の高齢者福祉施設で、医師の処方箋なしで利用者に抗寄生虫薬「イベルメクチン」を投与していた問題で、施設の元職員6人が25日、医師法違反(無資格医業)などの疑いで、小園県議と親族の介護士に対する告発状を指宿署に提出した。

 告発状によると、イベルメクチンは小園県議が海外から個人輸入。介護士に指示し、2023年10月、医師の指示と処方がないにもかかわらず利用者2人に投薬し、医師法などに違反するとしている。告発した元職員の一人は「事実を明らかにしてほしい」と話した。

 イベルメクチンは医師の処方が必要な「処方箋医薬品」。新型コロナウイルス流行初期から効果について国内外で研究された。国は23年8月、新型コロナの「診療の手引き」で「有効性が示されず、使用すべきでない」と位置づけている。

 小園県議は今年3月、施設のホームページに掲載したおわび文書で新型コロナ対策に使ったとし、「医師の指示に基づいたものではなく、法令を承知せずに入居者の命を守りたい一心で行った」などと説明していた。南日本新聞社の取材に対し、「コメントはしない」と話した。

利用者に投与されていたとされる抗寄生虫薬「イベルメクチン」

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