by 石井聡(クラフル)
【厄災の魔女】
著者:Miyako Miiya
KADOKAWA
どこかの世界の片隅で起きているかもしれない、不思議で少し切ない物語を集めたMiyako Miiya氏の短編集「おやすみ前にひとつだけ」。「厄災の魔女」は、その巻頭に掲載された短編だ。
砂漠が近いどこかの国に暮らしている少女の村に、ある日、不気味な黒い衣装で全身を隠した人物が買い物にくる。村人はその人物を警戒し、追い返そうとする。不思議に思った少女が尋ねると、あれは呪いの声を持つ魔女だと教えられる。少女は興味を持って魔女の後をつけていくが――。
少女が見る魔女の姿は、読者の心も引き付ける。短いストーリーながら、この世界に暮らす人々の生活や心、雄大な自然を感じることができる。
【あらすじ】
砂漠の国に暮らす少女。その村に、ある日厄災の魔女と恐れられる黒服の人物が買い物にくる。大量の縄とホウキを購入していった魔女に興味をいだいた少女は、そのあとを追いかけていき……。